SNTP (Simple Network Time Protocol)
【エス・エヌ・ティー・ピー】
ネットワークで結ばれたコンピュータ同士で時刻を同期させるためのプロトコル。正確な時刻情報源を階層的に構築するためのNTPプロトコルをベースにして、クライアント向けに軽量化したプロトコルである。ネットワーク上のクライアント マシンからNTPサーバにアクセスして、簡単に精度の高い時刻情報を得ることができる。RFC2030で定義されている。
多数のコンピュータが協調して動作する環境では、それぞれが持っている内蔵時計の時刻情報を正確に同期させておく必要がある。仮に各マシンの持っている時刻情報が異なっていると、たとえば時間に同期して開始や終了するプログラムやサービスなどがマシンによっては正しく動かなかったり、ログファイルに記録された時刻がずれていて後で正しくログを検証できなくなったり、ファイルの時間などを比較して動作するプログラムが誤動作したり(例:2つのファイルのうち、古いものを削除して新しいファイルの内容に統一するなど)、さまざまな不具合が起こる可能性がある。これを防ぐためには、1秒とか(たいていのファイル システムでは、ファイルの作成や更新、参照時間は1秒単位で記録されている)、それよりもさらに高い精度で時刻情報(内蔵時計)を同期させなければならない。
このような用途に利用できるものとしてNTPプロトコルがあるが、SNTPは、クライアントの時刻合わせ用途に向けてNTPを軽量化したプロトコルである。NTPは階層的な時刻同期サーバ システムを構築するためのプロトコルであるが、単にクライアントの時刻を合わせるだけならば、NTPのような高度で大規模なサーバ向けプロトコルは不要である。SNTPでは、NTPを簡略化して、SNTPクライアントからNTPサーバに対する時刻情報の要求とそれに対する応答だけを使っている。NTPサーバのような長時間に渡る統計的な誤差の処理機能などを持たず、単発的な時刻合わせ機能しかないので、一時的にネットワーク トラフィックが込んでいたりすると精度が下がる可能性がある。しかし必要ならば複数回のSNTPパケットのやり取りを使って誤差を減らすなどの工夫をすることにより、同一LAN上にあるNTPサーバとの通信ならば1msec以下の誤差で時刻を合わせることも可能である。
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参考リンク
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■[TIPS]NTPでネットワーク全体のマシンの時刻を合わせる
■日本標準時グループ
情報通信研究機構が提供する、日本標準時および標準周波数に関する業務のホームページ