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稼働率 (availability)

【カドウリツ】

最終更新日: 2006/02/06

 一定期間において、そのうちシステムがどの程度の割合で正常稼働しているかを示す数値。文献によっては、可用性と呼ばれることもある。

 稼働率は、システムの平均故障時間(MTTF:Mean Time To Failure)と平均修復時間(MTTR:Mean Time To Repair)を用いて算出する。具体的には、MTTFは、システムが故障などによって停止するまでの平均時間を示すもので、たとえば、平均して6カ月に1回の割合でシステムが停止する可能性があるとすれば、このシステムのMTTFは6カ月ということになる。逆の見方をすれば、MTTFはシステムの平均連続稼働時間と考えることもできる。

 一方のMTTRは、停止状態になったシステムを稼働状態に復旧するまでにかかる時間で、たとえば平均30分で復旧できるとすれば、MTTRは30分になる。

 これらMTTFとMTTRの値を使用して、稼働率は以下の式から算出する。

稼働率 = MTTF/(MTTF+MTTR)

 このように稼働率は、平均故障時間(平均連続稼働時間)を、平均故障時間と平均復旧時間を加えたもので割って求める。つまり、ある瞬間において、システムが正常な稼働状態にある確率に等しい。通常は100倍して、パーセント表示されることが多い。

 たとえば前出の例(MTTF=6カ月=6×30日×24時間×60分=259200分、MTTR=30分)なら、稼働率の値は次のようになる。

稼働率 =259200/(259200+30)×100 = 99.98%

 言うまでもなく、システムが正常に稼働する確率は高いほどよいので、この値は大きいほど優れたシステムということになる。稼働率と似た概念として、「信頼性(reliability)」があるが、こちらはシステムが障害を発生する頻度にのみ注目しており、MTTRは考慮されていない。

 計算式から分かるとおり、稼働率を高めるには2つのポイントがある。1つは分子にあるMTTFの値を大きくすること。つまり、障害を起こすことなく、システムを連続稼働できる時間をできるだけ長くすることだ。もう一方のポイントは、分母にあるMTTRを小さくすること。つまり、万一障害が発生しても、素早く復旧してシステムを稼働させることである。

 こうして算出された稼働率の値は、連続する「9」の数によってクラス分けされる。たとえば上の例(99.98)では、9の連続は3つまでなので、「3ナイン・クラス」ということになる。稼働率のクラスと、そこから逆算した年間停止時間をまとめると次のようになる(1年は365日として算出)。

クラス 稼働率の値 年間停止時間
2ナイン 99%〜99.8% 3.7日〜17.5時間
3ナイン 99.9%〜99.98% 8.8時間〜1.8時間
4ナイン 99.99%〜99.998% 53分〜11分
5ナイン 99.999% 5.3分以下

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関連用語

可用性
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MTBF

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