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BSデジタル放送 (BS digital broadcast)

【ビー・エス・デジタル・ホウソウ】

最終更新日: 1999/06/17

 日本国内で2000年末から本放送開始が予定されている、放送衛星(BS)を利用したデジタル放送のこと。

 これまでも、NHK(BS1、BS2、アナログ ハイビジョン)や日本衛星放送(WOWOW)がBS(「BS4−先発機」)を利用して、アナログ方式で放送を行っていた。これに対し、2000年に打ち上げ予定の「BS4−後発機」では、アナログ方式ではなく、デジタル方式での放送を開始する。デジタル方式では、映像データをいったん圧縮して衛星から放送し、それを受信した家庭の受信機で圧縮を解除する。このような画像の圧縮技術により、デジタル方式では、従来のアナログ方式の1チャンネルの帯域を使って、アナログ方式と同等の品質(標準テレビ:SDTVと呼ばれる)なら4〜8チャンネル分、高精細度テレビ(HDTV)放送でも2チャンネル程度を放送できる。BS4−後発機には4本の中継器が搭載されており(1本の中継器で、アナログ方式1チャンネル分の放送が可能)、このうち1本は既存のBSアナログ放送のバックアップ用として確保され、残る3本の中継器を使用して、BSデジタル放送が行われる予定である。BSデジタル放送では、高精細度放送を基本としているため、参入できる枠は6チャンネル(3本×2チャンネル=6チャンネル)ということになる。

 テレビ放送6社の枠に対し、1998年8月、在京キー局5社(日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)の各BSデジタル放送新会社に加え、WOWOW、ウェザーニューズ、スターチャンネルの計8社が申請を行った。これに対し郵政省の諮問機関である電波監理審議会は、1998年10月、上記8社よりウェザーニューズを除く7社をBSデジタル放送の事業者として認めた。このうちスターチャンネルを除く6社はHDTVでの参入を、スターチャンネルはSDTVのみの参入が認められた。

 HDTVなら1チャンネルだが、SDTVなら3チャンネル分を放送できる。このためHDTV放送事業者として認められた6社は、時間帯によってはSDTV 3チャンネルとして放送を行うなどを検討中である。在京キー局系のBSデジタル会社は、特定の分野に特化した放送ではなく、いずれも地上波テレビ放送と同様の総合編成を予定しており、収益構造的にも、コマーシャルによって収益をあげ、視聴者には無料で放送を行う予定である。ただし、各社ともCSデジタル放送型の有料放送も視野に入れている。

 またBSデジタル放送では、映像だけでなく、画像や文字データを放送することも可能である。BSデジタル放送では、1Mbit/secのバンド幅を持つスロットを、合計12スロット使用可能にする。こうしたデータ放送と映像の放送を組み合わせれば、放送中の野球選手に関するさまざまなデータを視聴者の要求に応じて表示したり、テレビ番組情報(電子番組ガイド:EPG)をデータとして配信し、これをテレビ画面に表示して、録画予約などを行ったりと、いろいろな応用が可能になる。

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