FTTH (Fiber To The Home)
【エフ・ティ・ティ・エッチ】
別名
・ファイバ・トゥ・ザ・ホーム (Fiber To The Home)
高速通信が可能な光ファイバを各家庭に引き込み、高速なインターネット・アクセス環境を構築する計画。これにより、家庭とインターネットは、10Mbps〜100Mbpsという超高速回線で接続され、従来は実用的な速度で利用できなかった動画や音声などのマルチメディア・コンテンツなどを実用的に使えるようになる。FTTHのほかに、FTTP(Fiber To The Premise。「Premise」は「家屋」の意味)やFTTB(Fiber To The Building)として使われる場合もある。
インターネットが一般に普及しだした1990年中盤、家庭からインターネットへの接続では、アナログ電話回線やISDN回線を使用したダイヤルアップ接続が一般的であり、通信速度は9600bps〜128kbps(ISDN 2B接続時)程度と低速で、光ファイバを使った高速インターネット常時接続は「遠い未来の情報通信環境」として語られていた。しかし当初は高価だった光ファイバ・ケーブルのコストが大きく低減したこと、日本国政府によるIT化推進の目玉としてさらなるインターネットの普及とFTTHの推進が位置づけられたこと、インターネットが爆発的に普及し、大容量のデータ通信能力を必要とするコンテンツやサービスが充実したこと、通信分野の規制緩和による事業者間の競争が激化したことなど、さまざまな要因が相乗的に関係して、本格的な普及に向けた動きが活発化した。
具体的には、有線放送事業などを手がける(株)有線ブロードネットワークス(通称usen)が、2000年10月1日より、東京都世田谷区赤堤の一部地域で光ファイバ網を使った高速インターネット接続実験を開始し、翌2001年3月1日より、100Mbps(アップ/ダウン・ストリームとも)という超高速接続を月額4900円で提供する「BROAD-GATE01(ブロードゲート・ゼロワン)」サービスを東京の一部地域で開始した。
NTT東日本は、2000年12月26日より、東京都23区の一部地域にて「光・IP通信網サービス(仮称)」と呼ばれるFTTHの試験提供を開始、2001年8月1日ブロードバンド版フレッツ「Bフレッツ」としてサービスの本格提供を開始すると発表した。このBフレッツは、最大で10Mbpsのベストエフォート型接続サービスで、最も安価な基本メニューの月額使用料は1万3000円である(Bフレッツでは、このほかにプロバイダ利用料金が必要)。
東京電力は、同社が保有する光ファイバ網を利用したFTTH実用化実験を2001年7月より東京都大田区の一部地域で開始した。この実用化実験では、家庭とインターネットを最大100Mbpsで接続し、吉本興業のバックアップにより、バラエティや映画などのコンテンツ提供も行うとしている。
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