他人が修正した文書ファイルの変更個所を分かるようにするには?
2006/12/12
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企業は、複数の人々が協働する組織です。文書作成においても、1人の担当者が書いて終わりではなく、多くの人の手を介して1つの文書を作り上げていく場合があります。
パソコンとネットワークが当たり前になった今日、文書ファイルを関係者に回覧して修正・書き足し・削除などをしてもらえば、共同作業で簡単に文書作成ができそうですが、実際には次のような問題が発生します。
- 皆で修正をしていたら、たくさんの文書ファイルが出来てしまい、どれが新しいものか分からなくなってしまった
- 文書に多くの修正指示が入ったが、どの修正が誰によって行われたのかが不明なので採用していいのかどうか分からない
- 上司に添削をお願いしたところ、どこを直してくれたのかが分からず、全文を見直さなければならない
- 部下に校正を頼んだところ、間違えて上書きされてしまい、元の原稿がどうだったか分からなくなってしまった
今回はワープロソフトのMicrosoft Wordを使って、複数の人が文書を作成していく場合に便利な機能を紹介していきます。なお、本稿で使用しているのはWord 2002です。バージョンが異なる場合は、若干機能の名称や操作性に違いがある可能性がありますがご容赦ください。
変更履歴機能
まずは、変更履歴機能です。これは、元の文書に加えられた変更内容を記録していく機能です。変更内容は修正済みを意味しますが、元に戻すこともできます。操作は、メニューの[ツール]−[変更履歴の記録]を選びます(画面1)。
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画面1 [ツール]−[変更履歴の記録]を選ぶ(クリック >> 図版拡大) |
これで、このWordファイルは変更履歴を記録するモードになるので、文章を書き加えたり、削除したりすると、それらの変更個所が記録されていきます(画面2)。
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画面2 履歴を残した形で変更内容が分かる(クリック >> 図版拡大) |
ファイルサイズは大きくなりますが、誰が変更したか(正確には、どのインストール時の登録名)も区別して記録されるので便利です。他人に見て欲しいWordファイルに“変更履歴”をつけておけば、上司にレビューをお願いしたときも、どこを修正したかが一目瞭然ですし、後でその修正を反映する/反映しないも選ぶことができます。複数の修正を一括して反映させることも可能です。
変更履歴機能の表示方法は設定により変えられます。変更する場合は[表示]−[オプション]を選び(画面3)、「変更の履歴」ダイアログボックスで指定を行います(画面4)。
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画面3 [表示]−[オプション]を選ぶ(クリック >> 図版拡大) |
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画面4 「変更の履歴」ダイアログボックス |
蛍光ペン、コメント、版の管理
内容の一部を目立たせたいときは、蛍光ペン機能があります(画面5)。今回は黄色を使っていますが、このようにはっきりと目立たせることができます。
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画面5 蛍光ペン機能(クリック >> 図版拡大) |
コメント機能は、文書の本文とは別にコメントをつける機能です。コメントを入れたい場所にカーソルを合わせて、メニューの[挿入]から[コメント]を選び、コメントを書き込むだけです(画面6)。文章のチェックや修正を頼まれたとき、何か疑問点やアドバイスがあれば、コメントの形で書き残すことで、相手とのやりとりもスムーズになります。このコメントは表示/非表示、印刷/非印刷の選択が可能です。
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画面6 [挿入]−[コメント]を選ぶ(クリック >> 図版拡大) |
何度も修正を行っていると、どれが最新版か分からなくなることがあります。そんな場合には、「版の管理」が便利です。文書ファイルに対する修正・編集を行ったとき、変更前の文書を「版」として保存しておく機能です。文書内容のほか、各版の保存日時、保存した人の名前などが記録されます。
操作は、[ファイル]−[版の管理]を選択します(画面7)。版の管理では、ファイルを閉じるときに自動的に保存する設定も選ぶことが可能です(画面8)。
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画面7 [ファイル]−[版の管理]を選ぶ(クリック >> 図版拡大) |
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画面8 版の管理は、自動保存も可能 |
なお、[表示]−[ツールバー]から[チェック/コメント]をクリックすると、コメントや変更履歴、蛍光ペン機能を操作するツールバーが表示されます。これらの機能をうまく利用して、効率的な文書作成を行ってください。
横浜市大卒。青山学院大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。アスキー、ソフトバンクなどを経て、ナスダック上場外資系企業のPR/マーケティングマネジャーを歴任。また雑誌などでIT系、資格系の執筆を行う(日経BP社、ダイヤモンド社、ソフトバンクパブリッシング、翔泳社など)。現在、IT系企業、ベンチャー企業のマーコム・PRコンサルティング、テクニカルライティングの仕事を行う「ビーコミュニケーション」という屋号で活動。「オルタナティブブログ」に参加しているほか、マーケティングや転職などの情報を配信する無料メールマガジン「B-zine」を配信中。
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