Ruby初心者にもエキスパートにも有用

CodeGear、Ruby統合開発環境の詳細を明らかに

2007/06/04

 「Delphi」「C++Builder」「JBuilder」などの統合開発環境で知られる米CodeGearは5月15日、新たに2つの統合開発環境、「C++ Builder 2007」と「Ruby IDE from CodeGear」(仮称。以下Ruby IDE)を発表した。発売予定はそれぞれ6月中旬、2007年後半。2月に発表した「Delphi for PHP」に続いて動的スクリプト言語としてRubyをサポートする狙いを、同社副社長でデベロッパー・リレーションズ兼チーフ・エバンジェリストのデイビッド・インターシモーネ(David Intersimone)氏と、プリンシパル・エンジニアでRuby IDEアーキテクトのシェルビー・サンダース(Shelby Sanders)氏に聞いた。

codegear02.png 開発中の「Ruby IDE from Code Gear」(仮称)

Ruby初心者にも、エキスパートにも有用なツール

codegear01.jpg 副社長 デベロッパー・リレーションズ兼チーフ・エバンジェリスト デイビッド・インターシモン氏(右)と、プリンシパル・エンジニアでRuby IDEアーキテクトのシェルビー・サンダース氏(左)

 CodeGearは昨年11月にボーランドから分社化し、比較的規模の小さな開発プロジェクトをサポートするツールを提供している。「親会社であるボーランドは、UMLやBPMLといったモデリング言語を使用したエンタープライズレベルのITシステムの開発・運用を管理するライフサイクル管理ツール群を提供しています。一方、子会社のCodeGearの方は、科学研究者やエンジニア、ISVといった小規模開発を行う開発者を対象にツールを提供しています。最近は、Delphi for PHPやRuby IDEなど動的スクリプト言語向けの開発環境を提供してWeb開発者も支援しています。新しい言語やフレームワークをいち早くサポートするのは、われわれCodeGearの仕事なのです」(インターシモン氏)。

 Ruby IDEの開発に当たっては2つの正反対のタイプの開発者を念頭に置いているという。「1つはJavaやC++で開発していて、RubyやRuby on Rails(RoR)に触れたことのない初心者。もう1つはRoRのエキスパート」(サンダース氏)。エキスパートの開発者はEmacsやviといったテキストエディタとコマンドラインを使って開発しているが、「Ruby IDEは、エキスパートにとっても生産性を上げられるツール。コードコンプリーション、リファクタリング、タイプブラウザ、ナビゲーションなどの機能を提供します」。これまでのIDE開発で培ってきたノウハウを生かしつつも、「動的スクリプト言語のサポートには、静的な言語とは異なる難しさがあります。例えばコードジェネレーションのように、まだ実装していないメソッドについてもコードコンプリーションを行う必要があります」。

 初心者向けにウィザードのようなGUIツールを提供する一方、エキスパート向けには、IDE内でコマンドラインが使える完全なシェル環境を提供する。「IDE内のコンソールには、ウィザードなどの操作もコマンドラインに展開されて表示されるほか、自分でコマンドを入力することもできます。単純にコマンドラインを表示するだけでなく、“コマンドコンプリーション”や、コマンドを出力単位ごとに折りたたんで表示する“コマンドフォルダー”、出力メッセージ中に含まれるファイル名やメソッド名をクリッカブルにしてGUIのビューとリンクさせる“ハイパーリンクナビゲーション”といった機能も提供します。エディタ、コマンドライン、Mozillaコンポーネント、グラフィカルなビュー表示など、開発に必要なものは、すべて入っているので、Ruby IDEでの開発時には外に出る必要がありません」。

 Emacsユーザーは一種の開発環境をエディタ内で構築しているケースが多いが、「テキスト表示ではできないこともあります。例えば、ファイル、メソッド、モデル、ビューといったものの依存関係を常時、双方向で表示する“ディペンダンシー・ビュー”のようなものはGUIのほうが向いています。また、人が書いたコードを読むような場合にナビゲーション機能があるかどうかで全体の把握の容易さが全然違ってきます。プロジェクトの規模が大きくなり、時間が長くなるに従って、こうしたツールは重要になります」。

 初心者にとってはRuby、またはRoRの実行環境を手軽に整えられるのもメリットだ。「Ruby IDEを入れれば、Rubyの実行環境のほかにRoRやGEM、データベースまでを含むフルセットがインストールされます」。

「Delphi for Ruby」ではない!?

 CodeGearは旧ボーランドから引き継いだ“Delphi”ブランドを、PHPについては適用し、Delphi for PHPの製品名を付けたが、Ruby IDEのほうは「Delphi for Ruby」とならない可能性もあるという。「Ruby IDEでサポートするのはRoRというフレームワークです。DelphiではVCL(Visual Component Library)を提供してきましたから、Ruby IDEではDelphiというブランド名が適切ではないと考えています。現在、RoRではDelphiが提供してきたようなドラッグやクリックで使えるGUIのコンポーネントが欠けているからです。今のところ、それをわれわれが提供することは考えていません。われわれが何かを押しつけるということはしません。RoRコミュニティから自然と出てくるもの、開発者の方々が使いたいと思うものをサポートしていくのがわれわれの立場です」。

(@IT 西村賢)

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