RubyForge上で公開へ
マイクロソフト、Ruby言語インプリ「IronRuby」をリリース
2007/07/24
マイクロソフトは、Ruby言語の同社版インプリメンテーションに対してコミュニティからフィードバックを受け入れる準備が整ったようだ。
マイクロソフトは7月23日、オレゴン州ポートランドで開催中のO'Reilly Open Source Conventionにおいて、「IronRuby」(Ruby言語のマイクロソフト版インプリメンテーション)のコア機能セットをRubyForge上で提供し、コミュニティのフィードバックを受け付けると発表した。RubyForgeは、プログラミング言語のRubyに関連したプロジェクトを対象とした協調型ソフトウェア開発管理システム。
RubyCLRの開発者でマイクロソフトのDLR(Dynamic Runtime Language)チームのメンバーであるジョン・ラム氏は、7月23日付のブログ記事で、同チームはこの2カ月間、IronRubyの最初のソースコードをリリースする準備を進めてきたと述べている。
「IronRubyのソースコードの最初のリリースを本日発表できるのを喜ばしく思っている。IronRubyは、Microsoft Permissive Licenseで規定された非常に寛大な条件の下でライセンスされる。また、われわれはIronRubyライブラリへのソースコードの提供も受け入れる予定だ。現時点では、まだ多くの関連作業が残されているが、8月末までにはRubyForge上でIronRubyを公開するつもりだ」(ラム氏)
IronRubyはDLR上に実装される。DLRはCLR(Common Language Runtime)2.0上で動作するサービス群で、.NET Framework上で動的言語を実行するのに利用される。IronRubyは.NET Frameworkに完全に統合され、.NET Frameworkの全バージョンを通じてWindowsデスクトップ/サーバプラットフォーム上で動作するほか、Silverlight 1.1を通じてクロスプラットフォームにも対応する予定だ。
ワシントン州レドモンドに本社を置くマイクロソフトは2007年4月に、ラスベガスで開催された同社主催の「MIX」カンファレンスで IronRubyとDLRを初めて紹介した。同社はそのとき、コミュニティ開発サイトのMicrosoft CodePlex上でDLRとIronPythonをMicrosoft Permissive Licenseの下でリリースする予定だと発表した。同社によると、IronRubyの発表は、ユーザーおよび開発者コミュニティ全体のニーズに対応したさまざまな革新的な技術を提供するという同社のコミット姿勢を示すものだという。
ラム氏によると、マイクロソフトではIronRubyライブラリへのコード提供だけを受け入れ、コンパイラ全体に対するコード提供は受け付けない方針だ。「これは、IronRubyがDynamic Language Runtime上に実装されており、現時点ではDLRへのパブリックインターフェイスが完全なものではないからだ。DLRは将来、CLRの一部として出荷されるため、少なくとも当初はIronRubyコンパイラへのコード提供を受け入れることはできない。しかしDLRが成熟し、パブリックインターフェイスをフルサポートした1.0の段階になれば、IronRubyプロジェクトのすべての部分を完全に公開し、外部からのコード提供を受け入れるつもりだ」と同氏は話す。
ラム氏のチームはIronRubyの最新リリースで「かなり優れたパフォーマンス」を実現したという。「われわれはDynamic SitesというDLR機能を利用している。これは、アダプティブ型コールサイトメソッドキャッシングのインプリメンテーションだ」(同氏)
(eWEEK Darryl K. Taft)
関連記事
Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.
情報をお寄せください:
- プログラムの実行はどのようにして行われるのか、Linuxカーネルのコードから探る (2017/7/20)
C言語の「Hello World!」プログラムで使われる、「printf()」「main()」関数の中身を、デバッガによる解析と逆アセンブル、ソースコード読解などのさまざまな側面から探る連載。最終回は、Linuxカーネルの中では、プログラムの起動時にはどのような処理が行われているのかを探る - エンジニアならC言語プログラムの終わりに呼び出されるexit()の中身分かってますよね? (2017/7/13)
C言語の「Hello World!」プログラムで使われる、「printf()」「main()」関数の中身を、デバッガによる解析と逆アセンブル、ソースコード読解などのさまざまな側面から探る連載。今回は、プログラムの終わりに呼び出されるexit()の中身を探る - VBAにおけるFileDialog操作の基本&ドライブの空き容量、ファイルのサイズやタイムスタンプの取得方法 (2017/7/10)
指定したドライブの空き容量、ファイルのタイムスタンプや属性を取得する方法、FileDialog/エクスプローラー操作の基本を紹介します - さらば残業! 面倒くさいエクセル業務を楽にする「Excel VBA」とは (2017/7/6)
日頃発生する“面倒くさい業務”。簡単なプログラミングで効率化できる可能性がある。本稿では、業務で使うことが多い「Microsoft Excel」で使えるVBAを紹介する。※ショートカットキー、アクセスキーの解説あり
|
|
キャリアアップ
- - PR -
転職/派遣情報を探す
「ITmedia マーケティング」新着記事
ドミノ・ピザのCMOが語る「イカゲーム2」タイアップ秘話
Domino’sのケイト・トランブル氏と同社の指定広告代理店であるWorkInProgressの共同創設...
MetaがAIアカウント導入を本気で計画 うまくいくのか?
MetaがAIによるアカウントをFacebookやInstagramに導入しようとしている。その狙いはどこ...
ユーザー数はThreadsの1割未満 それでもBlueskyが「Twitter後継」として期待される理由とは?
Blueskyは新たにトレンドトピック機能を公開した。これにより、ユーザーはアプリ内で興味...