AIAでコスト減をアピール
Javaと同じようにSOAにもフレームワークが必要、オラクル
2007/12/20
「3年ほど前のSOAプロジェクトでうまくいったものは、ほぼないと私は確信している」。日本オラクルの常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏は12月20日の説明会でこう述べて、SOAに対する取り組みの難しさを説明した。SOAを成功させるにはフレームワークが重要になるという。
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三澤氏はSOAプロジェクトの失敗要因として「サービス粒度が決定できない」「共通データモデルの設計失敗」「SOAに対するガバナンスの欠如」などを指摘。 SOAベンダはこれらの要因に対する問題解決を顧客に与えてこなかったため、顧客自身が行う必要があり「コストや時間がとても見合わない」という状況になっていた。
一方で、企業の枠を超えたシステム連携や、柔軟なビジネスプロセスの再構築を求める顧客企業は増えていて、SOAの重要性が高まっているのも事実。三澤氏は「企業が必要としているのは使いやすさとフレキシビリティ、スピード。時代のニーズがいよいよSOAを求めている」と強調した。
オラクルはSOAを成功させるためにはフレームワークが重要と訴えている。「Javaは開発フレームワークが誕生したことで、開発生産性が劇的に向上した。SOAにもビジネスニーズとテクノロジを結ぶフレームワークが必要」(三澤氏)。オラクルは「Oracle Application Integration Architecture」(AIA)をSOAのフレームワークとして提供している。AIAはSOAを実現するためのアーキテクチャで、業種別のリファレンスモデルとビジネスプロセスを統合するための「プロセス統合パック」(PIP)、オープンスタンダードベースの情報基盤で構成する。
オラクルの社内検証によると、SiebelとOracle E-Business Suite(EBS)を接続するSOAプロジェクトの場合、カスタム開発では520人日、5200万円のコンサルティング費用がかかるが、AIAを使うことで20人日、AIAの関係ライセンスを含めても800万円のコストで済むという。工数の削減効果は96%、コストの削減は85%に及ぶとオラクルは説明している。
大きなコスト削減効果を出すAIAの重要なコンポーネントがPIP。PIPはオラクルのアプリケーション製品を相互接続するための事前設定済みの製品群。アプリケーションを連携させるための共通オブジェクトやサービス定義、BPELプロセス定義、実装ドキュメントなどで構成する。連携のニーズが高いビジネスデータやサービス、プロセスを再設定することなくSOAで統合できる。オラクルはSiebelとEBSの連携向けや、通信業界向けなどすでに10種のPIPを提供していて、2008年5月末までに「20〜30種を出していく」としている。また、非オラクルアプリケーションやカスタムアプリケーションも含めてSOAで統合する「ファウンデーションパック」も発表している。
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