当面はOSとミドルウェアに注力
「サービスを重視」、レッドハットの新CEOが宣言
2008/01/24
2008年1月1日付で米レッドハットの社長兼CEOに就任したばかりのジム・ホワイトハースト氏が来日した。同氏は1月24日に開催した記者会見の席で、サービスの強化に努めていく方針を明らかにした。
ホワイトハースト氏の前職はデルタ航空のCOOで、ITを利用する側の立場だった。その前には、ボストンコンサルティングでバイスプレジデントを務めた経験も持つ。そうした経験の中から、顧客サービスの重要性を認識したと同氏。レッドハットでは「サービスに力を入れていく。誰がサポートするのかが曖昧にならないよう、OEMをはじめとするさまざまなパートナーときちんと連携し、顧客をサポートしていく。レッドハットとパートナーとで言うことが異なることのないようにしたい」と述べた。
同時に、「オープンソースという方式は、ソフトウェア開発にとってより良い方法だ」と述べ、それゆえに、オープンソースおよびコミュニティの力を生かして、顧客向けの「価値」を強化していきたいと述べた。
ただ当面は、アプリケーション分野にまでは手を広げず、OSおよびミドルウェアの部分に注力するという。「管理ツールや仮想環境向けの管理ツール、あるいはミドルウェアの機能強化など、やらなければいけないことはいろいろある。これらを完了させなければ、『Linux Automation』というビジョンは完成しない」(ホワイトハースト氏)
同社は2007年11月にLinux Automation戦略を打ち出し、その一環として、アマゾンと共同で「Amazon Elastic Compute Cloud」を発表した。また同年12月には、リアルタイム性を加えて高速なメッセージング環境などを実現する「Red Hat Enterprise MRG(Messaging, Realtime and Grid)」を発表している。こういった技術や仮想化技術、それにLinux OSを組み合わせることで、アプリケーションを実装から切り離し、柔軟なIT環境を実現できると同氏は述べた。
なお、レッドハットがマイクロソフト化するのではという懸念に対し、「われわれは、顧客を囲い込むことはできないと知っている。囲い込みのリスクがないという点で、マイクロソフトとは異なる」とホワイトハースト氏は述べ、その意味からもサービスを重視していくと述べた。
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