Linux Standard Base 3.2がリリース
Linux標準にPerlとPythonが追加
2008/02/20
Linuxの標準化を推進するLinuxファウンデーションは2月18日、標準仕様の最新版「Linux Standard Base 3.2」(LSB3.2)を発表した。LSB3.2では新たに、PerlやPythonといったスクリプト言語を含むほか、プリントシステムやマルチメディア関連のプロジェクトを取り入れている。
Linuxではディストリビューションごとに、インストールされているコマンドやライブラリ、ディレクトリ構造、デスクトップ環境が異なる。このためISVにとって自社開発のアプリケーションを多くのディストリビューションに対応させることは難しい。LSBは、こうした違いのあるLinux同士で互換性を向上する標準仕様を定めるもので、これまでにDebian GNU/Linux、Mandriva Linux、Novell SUSE Linux、Red Hat Linux、Ubuntu、Xandrosなどが、古いバージョンのLSBに準拠している。
プリントシステムとして、LSB3.2では、これまでのCUPS(Common Unix Printing System)に加え、新たにOenPrintingプロジェクトの成果を取り入れ、ポータブルなプリンタドライバのインターフェイスを利用可能とした。
マルチメディア関連では、ALSAサウンドシステムを実験的に採用。Linuxカーネルがサポートするオーディオ関連のAPIとしては、長らくOSS(Open Sound System)とALSA(Advanced Linux Sound Archetechture)の2つがあった。ライセンス上の問題でバージョン2.5以降のLinuxカーネルでOSSがALSAに置き換わったことに対応したもので、標準化の重要なステップとなる。今後、Linuxファウンデーションでは2008年中にもリリースすると見られる次期バージョンのLSB4.0で、GStreamerやHelixなど、より上位レイヤのオーディオサポートを行う予定だ。
デスクトップ関連では、ポートランド・プロジェクトの成果物である「xdg-utils」を実験的に採用。xdg-utilsはコマンドラインベースの7つのツールからなる。アプリケーションインストール時のデスクトップ上へのメニュー登録、アイコン登録を行うほか、URLややMIMEタイプに応じたアプリケーションの起動などの処理登録について、GNOMEやKDEといった異なるデスクトップ環境に対して統一的に行うことができる。
LSB3.2では、従来の「オプショナルモジュール」を廃止して、新たに「トライアルユースモジュール」に置き換えた。この変更により、LSB準拠をうたうLinuxディストリビューションが、より早い段階で、こうした新機能を提供するモジュールが利用可能となる。
このほかLSB3.2では、Qt3からQt4への移行を推奨しているほか、FreeTypeとXftのサポートや、X上でアルファブレンディング機能を提供するオプションであるXRenderのサポートなどを追加している。
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