次世代エンタープライズデータセンター構想の要に
COBOLとJavaとSOAが共存、IBMがメインフレームの新世代機
2008/02/26
日本IBMは2月26日、メインフレームの新世代機「IBM System z10」を発表した。伝統的にメインフレームが得意としてきたOLTPに代表される高いI/O処理を要求するアプリケーションに加え、CPUセントリックなアプリケーションについても高速化を図っている。このため、1つのハードウェア上に旧来のアプリケーションとLinux、ApacheやJava、SOA化されたWebサービスなどを統合できる点が特徴という。
IBM System z10には、クアッドコアのCPUを最大64個搭載することができ、従来機種「IBM System z9」に比べ、処理能力は最大で1.7倍向上した。メモリは3倍、1.5TBを搭載でき、I/0には6GbpsのInfiniBandを採用していっそうの高速化を図っている。また、XMLやグローバルミラーリングによる災害対策など、用途別の専用プロセッサも強化された。
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IBM System z10は、COBOLで書かれたCICS、IMSなどのアプリケーションに加え、Linux上で動作するJava、さらにはXMLやSOAなどの統合を視野に入れた製品だ。IBMでは、System z用に「IBM Rational Host Access Transformation Services」(HATS)といった開発ソフトウェアを提供しており、これを活用することで、COBOLベースのアプリケーションを再利用しながら、Webサービスとして展開することも可能という。
すでにSystem z9のリリース以降、メインフレームにUNIXやLinuxベースの複数のサーバを統合する試みは増えており、日本では特に金融関係での事例が多いという。中には、760台のLinuxサーバを26個のLinuxエンジンに統合するケースもあり、人件費やデータセンターの設備費などを含めた運用コストは今後3年間で最大80%削減する見込みという。
「System z10によってこうした統合の動きに加速がかかり、連続稼働が求められるLinuxがSystem z上で動作する環境がほかの業種にも広がっていくことを期待したい」と、日本IBM理事、システム製品事業プラットフォーム メインフレーム事業部長の渡邉彰氏は述べた。特に、計画的なものであれ、わずかなダウンタイムも許されないミッションクリティカルな分野に適しているという。
IBM System z10はまた、仮想化機能や必要に応じてリアルタイムにリソースを展開、配分する自動プロビジョニング機能を備えており、同社が掲げる次世代エンタープライズデータセンター構想を担う製品ともなる。「仮想化やグリーン、データ共有といった機能により、統合プラットフォームとして中心的な役割を果たす」と、米IBMのビル・ザイトラー氏(IBMシステムズ&テクノロジー・グループ担当シニアバイスプレジデント兼グループエグゼクティブ)は述べている。
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