SOAもプロプライエタリからオープンソースへ
「あっと驚く価格でSOAを」、レッドハットがJBoss製品強化
2008/02/28
レッドハットは2月28日、ミドルウェア製品「JBoss」を中核に、SOA製品「JBoss Enterprise SOA Platform」をリリースし、ミドルウェア事業を本格的に展開することを発表した。日本BEAシステムズから転身し、レッドハットの代表取締役社長に就任した廣川裕司氏は、従来製品に比べて「あっと驚く価格」でSOA導入を可能にすると述べた。
米レッドハットが買収によってJBossを傘下に収めたのは2006年6月のことだ。2007年5月には、Webアプリケーションサーバを中心としたミドルウェア製品群「JBoss Enterprise Middleware」を国内でリリースし、SOA市場に足を踏み入れている。
今回リリースされたJBoss Enterprise SOA Platformは、アプリケーションサーバやポータルサーバ単体だけでなく、SOA実現に必要なコンポーネントを追加したパッケージだ。具体的には、複数のシステム/サービスの連携を可能にするエンタープライズ・サービス・バス「JBoss ESB」、業務ワークフローを管理し、ビジネス・プロセス・マネジメント機能を提供する「JBoss jBPM」、ビジネスルールの定義、管理や実行を行うエンジン「JBoss Rules」といった製品が加わっている。
特徴の1つは、オープンソースで提供することだ。「これまで日本でSOAが普及してこなかった要因はいくつかあるが、その1つが、プロプライエタリでブラックボックス化していること。各社とも『インターフェイスはオープンだ』というけれど、実際のサービスはなかなかつながらない」(廣川氏)。これに対し一連の製品はソースコードが公開されるため、「技術者にとってやさしく、より簡単に(サービスを)つないでいくことができる」(同社製品部長の中井雅也氏)
もう1つ、SOA普及の阻害要因として挙げられたのは価格だ。「役員会での承認が必要な投資になったり、組織変更が必要になったりといったことが足かせとなって、日本ではSOAが普及してこなかった」(廣川氏)。これに対しJBoss Enterprise SOA Platformはライセンスが無償で、テクニカルサポートやアップグレード、修正プログラムの提供を含む年額サブスクリプション価格が210万6000円からだ。
廣川氏は、「OSやクラスタリングにはじまり、Webアプリケーション、SOAの分野に至るまで、ほとんどすべての基盤ソフトウェア分野で独自ソフトウェアを置き換えることができる」と述べ、OSの世界で起こったのと同じことをSOAの世界でも実現し、結果として「革命的にTCOを削減し、多くの選択肢を提供し、アジリティをビジネスにもたらしたい」と述べた。
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