従来のプロセッサの4〜6分の1のサイズ、超低消費電力
米インテル、MID向け新プロセッサファミリ「インテルAtom」発表
2008/03/03
米インテルは3月2日、モバイル端末向けの低消費電力プロセッサの新ファミリー「インテルAtom」ブランドを発表した。開発コードネームで「Silverthorne」、「Diamondville」と呼ばれていたプロセッサが「インテルAtom」となり、「Menlow」プラットフォームは「インテル Centrino Atom」となる。Atomの命令セットはCore 2 Duoと互換性を持つ。Centrino Atomは、Atomプロセッサとグラフィックス統合型の省電力チップセット、ワイヤレスチップを含む。
インテルAtomは45nmプロセス技術で製造される。ダイサイズは25平方ミリで4700万個のトランジスタを集積する。同社のCore 2 Duoプロセッサのダイサイズが100〜140平方ミリ程度であったことに比べると4〜6分の1程度のサイズと非常に小型。インテルではAtomのダイを米国の1セント硬貨上に11個乗せることができると、その小ささを説明している。
プロセッサの熱設計電力(TDP)は0.6〜2.5ワット程度で、最大動作クロックは1.8GHz。現在主流のノートPC向けCore 2 DuoのTDPは最大35ワット。
インテルでは発表文の中で、新ジャンルのプロセッサとも言えるAtomブランドを使用する端末として「MID」(モバイル・インターネット・デバイス)のほか、「netbooks」「nettops」などの呼称を用いている。ネット接続を主眼に置いた低消費電力、低価格の端末やPCが今後数年で大きく伸びるとし、そうした端末でAtomが最適だと説明している。
なお、ウィルコムは同日、インテルAtomを採用したWindows Vista搭載のモバイル端末を開発中と発表している。端末はシャープ、インテル、マイクロソフトらと協力して開発しており、シャープのワイド液晶を採用。正式発表は4月下旬を予定しており、6月に発売するという。
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