発表会のビデオも100万人以上が視聴

iPhone SDKが4日間で10万ダウンロード

2008/03/13

 米アップルは3月12日、ベータ版公開を開始した同社携帯電話端末のiPhoneおよびiPod Touch向けの無償開発キット(SDK)が公開から4日で10万ダウンロードを記録したと発表した。アップルはiPhone SDKと今後のiPhone向けアプリケーション環境に関するロードマップについて3月6日にアップル本社で発表。その模様を伝える映像も全世界で100万人以上が視聴したといい、「iPhone向けアプリケーション作成に開発者たちが信じられないような関心を示している」(プレスリリース文)としている。

 iPhone SDKはMac OS X上で稼働するツール群から成る。ソースコードエディタ・管理ツールの「Xcode IDE」、Mac OS X上でiPhoneを動かすシミュレータ「iPhone Simulator」、UI設計ツール「Interface Builder」、パフォーマンスチューンのために稼働中のアプリケーションの統計データをリアルタイムで取得する「Instruments」などからなる。iPhoneは、タッチパネルや加速度センサのためにMac OS Xと異なるインターフェイス「Cocoa Touch」と呼ぶレイヤをOS中に持っているが、こうしたiPhone特有のハードウェアを使ったアプリケーションも容易に開発できるとしている。また、iPhone SDKからはゲーム向け機能としてOpenGLや3DオーディオAPIのOpenALも利用できる。これらはアップル自身が社内で開発用に使っているものとまったく同じものだという。

 iPhone SDKで作成したiPhone/iPod Touch向けアプリケーションは、アップルが新たに開設する「App Store」で販売できる。価格はアプリケーション開発者が自由に決めることができ、販売額の70%を受け取ることができる。同社は残りの30%をApp Storeの運営に当てるとしている。無償に設定した場合には登録料などはかからない。

 次回のバージョンアップでiPhoneにはApp Storeのアイコンが追加され、iPhoneユーザーはワンクリックでアプリケーションリストから好きなアプリケーションをダウンロードできる。ダウンロードにはWi-Fiもしくは携帯電話網を使う。

 同社は今後、iPhone/iPod touch向けアプリケーションの開発、テスト、配信、サポートをパッケージ化した「iPhone Developer Program」も販売する。一般向けが年額99ドル、エンタープライズ向けが年額299ドル。同プログラムは当面米国内の一部の開発者に限られているが、順次提供地域を拡大していくという。

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(@IT 西村賢)

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