GUI作成、コード品質改善、MS製品連携など
ベンダ各社、Eclipse関連製品を発表
2008/03/24
ソフトウェアベンダ各社は、優れたGUIの作成、コード品質の改善、マイクロソフト技術との連携などの分野でJava開発者を支援する製品を提供しようとしている。
カリフォルニア州サンタクララで開催された「EclipseCon」カンファレンスにおいて、ソフトウェア品質/プロダクティビティソリューションを開発するInstantiationsは3月17日、「CodePro Analytix Server」の改良版、自社の「WindowTester Pro」でのEclipse Graphical Editing Frameworkのサポート、そしてCodeGearとの新たな提携を通じて自社の「Swing Designer」をJBuilder 2008に統合する計画を発表した。
Instantiationsのマイク・テイラーCEOによると、CodePro Analytix Serverは、共通のソフトウェアビルドプロセスにシームレスに連携するサーバベースの自動化プロセスを利用したソフトウェア解析機能を開発者に提供するという。新しいサーバエディションは、Javaコードの監査の自動化、メトリクスの収集、コードカバレッジの解析、JUnitテストなどの結果リポートといった機能を開発とそのチームに提供する。AntまたはMavenを使ってサーバエディションを夜間ビルドシステムに連携することもでき、CodePro Analytix Serverは実行可能な結果を自動的に返してくれる。
CodePro Analytix ServerはWebベースのダッシュボード機能も備え、開発マネージャは開発中のソフトウェアの品質傾向を素早く確認することができる。価格は5人のチームに対応した構成が6395ドルで、これにはサーバで実行する解析機能を作成・編集するためのCodePro Analytixのデスクトップエディションが1本含まれる。
InstantiationsのWindowTester Proは、SwingおよびStandard Widget ToolkitのGUIのテストを自動化するツール。WindowTester Proバージョン3.0では、GEF(Graphical Editing Framework)をベースとしたGUIを直接テストする機能が追加された。GEFはオープンソースのフレームワークで、Eclipse技術を使って開発されるアプリケーション用に一貫性のある豊かでグラフィカルな編集環境を提供する。WindowTester Proの価格は499〜799ドル。
またInstantiationsは、開発ツールメーカーのCodeGearと提携した。Instantiations WindowBuilderファミリーの一員である「Swing Designer」をJBuilder 2008に連携するのが目的だ。CodeGearは、人気の高いJava IDE(統合開発環境)であるJBuilderに統合された機能としてSwing Designerのビジュアルレイアウトツールを提供する。JBuilder 2008は今年上半期にリリースされる予定。
CodeGearによると、同社はInstantiations Swing DesignerのビジュアルレイアウトツールをCodeGear JBuilderに全面的に統合する予定であり、JBuilderは同技術が含まれる最初の商用Java IDEになるという。
Eclipse Foundationの執行ディレクターを務めるマイク・ミリンコビッチ氏は、「両メンバー企業のそれぞれの革新的技術を組み合わせた統合製品は、開発者がEclipseプラットフォームをより生産的に活用することを可能にする」と話している。
JBuilder 2007は、オープンソースのEclipseフレームワークをベースとするIDEである。Instantiations Swing Designerは、Eclipseフレームワーク専用のツール。
CodeGearで製品と戦略を担当するマイケル・スインデル副社長は、「最近のJava GUIソリューションは、機能的に不十分であったり、信頼性に問題があったり、プロプライエタリ技術が含まれていたりするなどの問題がある。Java GUI開発者たちは、使いやすく、完全にソースコード駆動型の先進的なGUI構築環境と機能セットを求めている。われわれはこういった期待に応えるために、Instantiations Swing DesignerをJBuilderに統合した」と語る。
またEclipseConでは、Teamprise(SourceGearの1部門)が自社のクライアントアプリケーションの最新リリースとなる「Teamprise 3.0」のリリースを発表した。新バージョンでは、Java/クロスプラットフォーム開発チームがマイクロソフトのVisual Studio 2008 Team Foundation ServerのALM(アプリケーションライフサイクル管理)機能のすべてを利用できるようになる。
Teampriseクライアントスイートは、3つのJavaベースのアプリケーションで構成される。Eclipse IDE用のプラグイン、Explorer型のクロスプラットフォーム対応GUIアプリケーションそしてコマンドライン型クライアントである。これら3つのアプリケーションはVisual Studio Team Foundation Serverと直接コミュニケートすることができる。またクロスプラットフォームにも対応しており、Linux、Solaris、Mac OS X、WindowsなどのOS上で動作する。Teamprise 3.0リリースで加えられた機能強化としては、Team Buildとの本格的な連携やCheck-in Policies機能のサポートなどがある。
Teampriseは同製品の新たな価格設定も発表した。これまでTeampriseクライアントは、総合的なClient Suiteの一部として提供されているだけだったが、バージョン3.0から顧客は自分のニーズに合わせて個別製品を購入できるようになる。例えば、「Teamprise Plug-in for Eclipse」だけが必要だという開発者は、同クライアントを199ドルで購入することができる。
(eWEEK Darryl K. Taft)
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