「Oracle GRID Center」で検証
日立とオラクル、事業継続管理のベストプラクティス公開
2008/03/25
日立製作所と日本オラクルは3月25日、両社の製品を組み合わせた事業継続マネジメント(BCM)のベストプラクティスを発表した。オラクルの検証施設「Oracle GRID Center」で製品を連携させて効果を確認した。日立は「日立のストレージ環境ではOracle Databaseが最も使われている。実際に効果があることが実証でき、顧客に説明ができるようになった。大きな成果だ」(日立製作所 RAIDシステム事業部 製品企画部 部長 島田朗伸氏)としている。
検証したのは2つの製品連携。1つは日立のストレージ製品「Hitachi Universal Storage Platform V/VM」が持つ、ボリューム容量の仮想化機能「Hitachi Dynamic Provisioning」(HDP)と、オラクルがOracle Database 10g以降で搭載しているストレージ管理機能「Oracle Automatic Storage Management」(ASM)の連携。
HDPは各サーバに対して仮想のボリュームを割り当てることができる機能。仮想ボリュームにデータが書き込まれると、その都度、物理的なリソースプールにデータを保存する仕組みだ。物理ボリュームに前もってリソースを割り当てておく必要がなくなり、ストレージ容量の使用率を向上させることができる。システムの再設定をせずにオンラインのままでディスクドライブを追加することもでき、運用管理の効率が向上するという。
オラクルのASMはボリュームマネジャーやファイルシステム、データファイルを「ディスクグループ」として統合することで、物理ファイルの管理を簡単にする技術。従来はASMを使ってもストレージ側のRAIDグループやLU(ロジカルユニット)の設計が必要だったが、HDPを組み合わせることで仮想ボリュームがその複雑な設計を吸収する。そのため物理的なリソースのプールを設計するだけで、ストレージの各リソースの間で負荷分散を図ることでき、パフォーマンスが向上する。
同時に、オンラインでディスクドライブを追加できるようになり、管理作業のステップが従来の半分に減るという。仮想化レイヤを設けることによるオーバーヘッドも心配されるが、両社の検証によるとASMだけの性能を100とすると、ASMとHDPの組み合わせでは94.1の性能。オーバーヘッドは大きくないとしている。
もう1つの製品連携はOracle Database 11gの「Oracle Active Data Guard」と、日立のブレードサーバ「BladeSymphony」、ストレージ製品「Hitachi Adaptable Modular Storage」の連携。Active Data Guardは障害対策のために構築されたスタンバイ・データベースを、レポーティングなど参照業務で利用できるようにする技術。日立製品との連携では、顧客の利用環境を想定した大規模なトランザクション負荷環境を構築し、スタンバイサイトの参照業務での利用、障害ケースを想定した挙動の検証を行った。両社は「スタンバイサイトのリソース活用の有効性、スタンバイ活用下での障害時フェイルオーバー時間の短縮と、トランザクション業務の継続性を確認することができた」としている。
両社は検証結果をホワイトペーパーにまとめ、Webサイトで公開している。
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