定義の上では両者はかなり似ている

Google Gears対抗? 米ヤフーがBrowserPlusを開発

2008/04/22

 金融専門家が米ヤフーと米マイクロソフトの買収問題の行方と4月22日(米国時間)のヤフーの四半期決算報告を気にかけている間にも、同社のプログラマは新しいソフトを作り続けている。

 「BrowserPlus」は秘密の多いヤフーのインキュベーター部門ブリックハウスからベータ入りした最新ツールだと、グーグルのディオン・アルマー氏はAjaxianに記している。

 このツールの詳細はほとんど明かされていないが、ヤフーのブリックハウス部門エンジニア、スカイラー・ウッドワード氏は自身のブログで、BrowserPlusはデスクトップマシンあるいはスマートフォンの開発者がDHTMLやJavaScriptなどのWebブラウザプログラミング環境を、VoIP、画像操作、データキャッシングなどあらゆるコンポーネントに移植できるソフトウェア配信フレームワークだと述べている。

 BrowserPlusはGoogle Gearsに対するヤフーの答えなのだろうか? 確かにそう見える。

 ヤフーはFAQで、「BrowserPlusはWebプラグインのインストールと利用を容易にして、インターネット体験をよりリッチにする」と説明している。

 一方、グーグルはGoogle Gearsを「Webブラウザに新機能を加えることで、より強力なWebアプリケーションを可能にするオープンソースプロジェクト」と定義している。プログラマとエンドユーザーは、グーグルのアプリケーションをオフラインで動かすのにGoogle Gearsを使うようになっている。

 定義の上ではBrowserPlusとGoogle Gearsはかなり似ているようだが、アルマー氏は、ヤフーがOpenSocial支持団体の設立に加わったときにグーグル社員が喝采を送ったのと同じように、ヤフーを賞賛している。

 「ヤフーはオープンWebの支持者だと思う。(Webブラウザベンダよりも)Web開発者の観点からブラウザプラットフォームを進歩させるべく協力したい」(同氏)

 4月21日の時点でウッドワード氏の開発チームにBrowserPlusの話を聞くことはできなかったが、来週にはブリーフィングがあると予想される。しかし、Webでリリースされる新しいバイラル技術ではよくあるように、混乱は想定しておかなければならない。

 ヤフーは、次第に敵対的になる買収提案をマイクロソフトから受けている中で、22日の大引け後に第1四半期の決算発表を予定している。

 アナリストらは、同四半期の売上高を13億3000万ドル、利益を1株9セントと見込んでおり、マイクロソフトの1株31ドルの買収案に関する何らかのコメントもあると予測している。21日のヤフーの終値29.99ドルを基にすると、現在の買収額は約430億ドル相当になる。

原文へのリンク

(eWEEK Clint Boulton)

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