2008 JavaOneレポート

サン、ユーザーの統計分析技術をJavaFX上で提供へ

2008/05/08

 米サン・マイクロシステムズは米国サンフランシスコで開催中の年次イベント「2008 JavaOne」で、2つの新プロジェクトの存在を明らかにした。「Project Insight」は、JavaFXと組み合わせて提供される統計情報分析のフレームワークで、今後、アプリケーションやコンテンツ配布に使われることになるJavaFXを使い、どういうユーザーがどういうコンテンツをどのぐらいの時間見ているか、どの機能を使っているかを開発者サイドにフィードバックする仕組みだという。

 同社CEOのジョナサン・シュワルツ氏は、Project Insightが解決しようとしている問題を、こう説明する。

 「メディアでもソーシャルサービスでも消費者を相手にしている企業はどこも、顧客の行動や意図を理解しようとしています。銀行の口座を開こうとしているのか、デートサイトのアカウントを取ろうとしてるのか、あるいは年齢や居住地域はどこだといった情報です」

 こうしたデータ収集は、ユーザーが閲覧したコンテンツを把握することで行動ターゲティング広告など効果の高いマネタイズ手法を提供するが、その一方で消費者はプライバシー上の懸念を持ちうる。それに対してシュワルツ氏は、こう答える。

 「われわれは純粋に技術を提供するだけです。国によって規制が違うし、企業によってポリシーも違うが、明示的にユーザーに情報収集の許可を求めるかどうかなどは開発者が選択する。われわれが決めることではありません。重要なことは、JavaやJavaFXがオープンなクロスプラットフォームのRIA環境で、完全にフリーだということです。顧客の行動データを収集するために自分たちのリッチ・インターネット・アプリケーションを使ってくださいというのは非常に説得力があると思います」

 サンが明かしたもう1つのプロジェクト「Project Hydrazine」は、Javaアプリケーションの配布プラットフォームだ。まだ詳細は明らかにしていないが、サンが提供するのは一種のホスティングサービスで、同社が用意する配布プラットフォームを使うことで、ユーザーはアプリケーションの発見や個別カスタマイズ、自動アップデートが行える。これはアプリケーションを開発・配布する側にもメリットがあるという。

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(@IT 西村賢)

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