アイ・オー・データとトッパン・フォームズ

MIFARE、FeliCaがフルに使える個人向けNFCリーダ/ライタがリリース

2008/05/09

 アイ・オー・データ機器(以下 アイ・オー・データ)とトッパン・フォームズは5月8日、MIFAREとFeliCaの両方が使える個人向けNFCリーダ/ライタ「ぴタッチ」と、法人向けNFCリーダ/ライタ「NFC-RW」「NFC-ST」を発表した。同時にアプリケーション開発と販売について協業することも発表した。NFCリーダ/ライタの対応OSはWindows Vista SP1とWindows XP SP2。

nfc01.jpg 個人向けNFCリーダ/ライタ「ぴタッチ」

 NFCとはICカードの次世代規格としてISOに承認されている(ISO/IEC 18092)近距離無線通信規格だ。NFCはFeliCaやTypeA(MIFARE)など異なる非接触ICカードの規格をまたいで使えるようにする。つまり従来は規格ごとに必要であったリーダ/ライタが、1種類でまかなえるようになる。今回リリースしたNFCリーダ/ライタはFeliCaとMIFARE、P2Pに対応するNFCIP-1の規格に準拠する。

 個人向けに発売する「ぴタッチ」は従来、店舗や駅でしか利用できなかった非接触ICカードを個人のPCで使えるようにする。厚さ10mm。USBケーブルが交換でき、個人のPC利用環境に合わせてケーブルの長さが選べる。5月下旬から量販店で販売する。価格は3100円(税別)。

nfc02.jpg
nfc03.jpg オフィス向けの卓上型NFCリーダ/ライタの「NFC-RW」(上)とモバイル利用を想定したスティック型の「NFC-ST」

 法人向けに発売するNFCリーダ/ライタのNFC-RWとNFC-STは、セキュリティ対策の促進に役立つ。NFC-RWはオフィス向けの卓上型、NFC-STはモバイル利用を想定したスティック型だ。NFC-RWは、非接触ICカードをかざす面をV字断面形状にし、カードケースにカードを入れたままでも使うことができる。NFC-STは、滑り止めシートやUSBコネクタ保護キャップで紛失防止と持ち運びやすさを実現している。ともに6月上旬に出荷開始。価格は3700円(税別)。

 それぞれに付属する対応ソフトウェアは、電子マネーEdyのチャージなどができる「EdyViewer」と、電子マネーWAONのポイント参照などができる「WAON TOOL BAR」、精算管理ツールの「精算快速!」、ICカードを使ったPCの認証システム「SmartOn Solo」(SmartOn Soloの体験版は7月からアイ・オー・データのECサイトよりダウンロード開始)の4つ。EdyViewerとWAON TOOL BARはぴタッチに付属、精算快速!とSmartOn SoloはぴタッチとNFC-RW、NFC-STに付属する。NFC-RWとNFC-STの付属ソフトウェアは順次追加予定だ。また、トッパン・フォームズがNFCソフトウェア開発キット(SDK)を法人向けに発売する。

 国内におけるICカード市場は、2010年には2億枚、2012年には3億枚を突破するとみられている。FeliCaの国内累計枚数は1億8000万枚である。対してMIFAREは日本でのシェアは少ないが、世界累計では12億枚を出荷。さらにMIFARE UltraLightのカード市場投入によりカード単価50円以下が可能になるため、今後国内でも大幅な普及が見込まれている。例えば「成人識別たばこ自動販売機」で利用できるtaspoはMIFAREである。MIFAREとFeliCaの互換性を持ったNFC製品は、今後コスト面でも利便性の面でも重要な役割を果たすものと期待される。

(@IT 杉浦知子)

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