PHP、Groovyコードにも対応
IBM、マッシュアップ基盤「WebSphere sMash」発表 無償版も
2008/06/12
日本IBMは6月12日、PHPをサポートするマッシュアップの開発、実行基盤製品「WebSphere sMash V1.0」の日本語対応版を6月20日に発売すると発表した。Web上のコンテンツだけでなく、SOAPベースのWebサービス、REST、JSONをサポートし、企業の既存の情報システムからも情報を取得できるのが特徴。
sMashはマッシュアップの開発環境、実行環境で構成する。開発環境はWebブラウザベース。フィードの取得やサービスの呼び出し、データ変換など65以上のモジュールが用意され、ドラッグ&ドロップでパイプをつなぎ、アプリケーションを構築できるようにしている。PHP、Groovyのコードも組み込むことができる。Eclipseのプラグインもある。
実行環境はJava SEの仮想マシン上に構築される。1つのアプリケーションごとに1つの仮想マシンを割り当てる考えで、仮想マシン上でsMashのランタイム、PHP、Groovyの独自ランタイムが起動する。HTTPサーバ機能もあり、開発したアプリケーションをすぐにデプロイし、実行できる。
日本IBMの理事 WebSphere事業部長のデビッド・ベイト(David Bate)氏はsMashについて「社内データ、社外のデータをサーバサイドで組み合わせられる機能がもっとも面白い」と話し、「真のエンタープライズ環境でマッシュアップをするには、SOA、Webサービスの考えを組み合わせる必要がある」と説明した。
sMashはIBMが2007年6月に始めた「Project Zero」の成果だ。Project ZeroではsMashのプロトタイプを公開し、ユーザーのレビューを受けながら開発を進めた。sMash自体はオープンソースソフトウェアではないが、ソースコードのダウンロードが可能で、6月10日現在で40万2000のダウンロードがあったという。
sMashは143万円から。5つのアプリケーション・インスタンスまで稼働させることができる。メッセージングの信頼性を高めるオプション製品「WebSphere sMash Reliable Transport Extensions」も発売する。価格は28万6000円。
sMashには上記のProject Zero版以外に、IBMによるサポートがない無償版の「WebSphere sMash Developer Edition」もある。機能は製品版と同じだが、4つのプロセッサコアまでしかサポートしないなど制限がある。IBMは開発環境としての利用を想定している。
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