Javaもクラウドに

JBossをAmazonのクラウド上で提供へ、レッドハット

2008/06/19

 米レッドハットは6月17日、エンタープライズ向けミドルウェア製品JBossシリーズのうち、Javaアプリケーションサーバプラットフォーム、「JBoss Enterprise Application Platform」(EAP)をアマゾンが提供する「Amazon EC2」(Elastic Compute Cloud)の上でベータ版として提供すると発表した。利用料は月額119ドルからで、利用するサーバ1台分ごとに1時間1.21ドルの課金が発生する。Amazon EC2上でインスタンス化できるOSイメージ(AMI:Amazon Machine Image)として提供する。EAPにはJava EEアプリケーションサーバのほか、Webアプリケーションフレームワークの「JBoss Seam」、O/Rマッパの「JBoss Hibernate」、クラスタリングの「JBoss Clustering」などが含まれる。

 すでにレッドハットはAmazon EC2上でRed Hat Linux Enterpriseの提供を2007年11月に開始しており、同社はエンタープライズ向けJavaアプリケーションをクラウド上へ移行できるとしている。クラウド上に移すことで、負荷に応じて必要なリソースを使い、その分の料金を払うという柔軟な運用が可能になる。既存のデータセンターで稼働しているアプリケーションのピーク時の負荷をクラウド上に分散するといった使い方もできる。

jboss01.jpg 米レッドハット ディレクター、プロダクトマーケティング担当のアーロン・ダーシー(Aaron Darcy)氏

 米レッドハットでJBoss製品を担当するプロダクトマーケティングのアーロン・ダーシー氏によれば、今回の新サービスは顧客からのリクエストに応えて提供するもので、金融業の夜間バッチの負荷分散、オンラインストアのようなWebアプリケーション、計算量の多いアニメーション制作などの分野から、特に引き合いが強いという。「通常、サーバを用意するのに3カ月から6 カ月かかるが、アマゾン上の仮想サーバであれば、申し込みから10分とかからずにすぐに使い始められる」(ダーシー氏)。クラウド・コンピューティング自体まだ新しい技術なので、ミッションクリティカルなジョブと、そうでないものを分けて従来のサーバとクラウド上の仮想サーバで負荷分散するなどの使い方が考えられるという。

 サブスクリプションでEAPを利用しているユーザーは、そのままAmazon EC2上でEAPを利用できる。ただし、サーバにインストールするタイプの従来のRed Hat Linux EnterpriseやJBossのライセンスをAmazon EC2上に適用することはできず、新たな申し込みが必要となる。また、利用にはあらかじめAmazon EC2の利用申し込みが必要。

(@IT 西村賢)

情報をお寄せください:

Java Agile フォーラム 新着記事

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

「Gemini時代」のGoogleの広告ビジネスはどう変わる? ピチャイCEOが語ったこと
テック業界の巨人の第1四半期決算発表で議論の中心となったのは、生成AIおよび「YouTube ...

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2024年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

サッカー欧州CLを早朝に観戦するアジアのファンのためにハイネケンが仕掛けた意外過ぎるキャンペーンの中身
時差のためUEFAチャンピオンズリーグを早朝に視聴せざるを得ない韓国のサッカーファンの...