Firefox 3.1 Alpha2(Shiretoko)を使ってみた
videoタグで動画再生はプラグイン不要に
2008/09/09
Mozillaファウンデーションは9月6日、Webブラウザの次期バージョン「Firefox 3.1」のアルファ版リリース第2弾となる「Firefox 3.1 Alpha2」を公開した。プロジェクト名「Shiretoko(知床)」で知られてきた、このバージョンには多くの新機能が盛り込まれる予定だ。
Firefox 3.1 Alpha2 新機能の例
- HTML 5のvideoタグのサポート
- 重い処理をするときにJavaScriptのバックグランド処理を可能にする「Web Worker」スレッドのサポート
- ウィンドウ間でのタブのドラッグ&ドロップによる移動
- 「Ctrl+Tab」によるタブの切り替え時に各タブをサムネイル表示して選択する機能
- CSS 2.1やCSS 3で、いくつかのプロパティを新たにサポート
Alpha2ではクリティカルなバグがあるために無効になっているが、Firefox 3.1の大きな変更点として、JavaScriptエンジンが刷新され、大幅に高速化される見込みだ。
HTML 5での採用が決まっているvideoタグやaudioタグのネイティブサポートも目玉機能の1つだ。
これまで動画やオーディオの再生にはFlashやQuickTimeなどのプラグイン、もしくはJavaアプレットなどが必須だったが、HTML 5に対応したWebブラウザであれば、ブラウザ単体で動画再生が可能になる。
Firefox 3.1 Alpha2を使えば、videoタグが実際に機能していることを簡単に確認できる。例えばWikipediaの動画コンテンツを再生するプレーヤーとしてJavaアプレットの「Cortado」、QuickTime、Webブラウザネイティブの3種類から選択できる。デフォルトでCortadoになっている動画プレーヤーを「Native Browser support」に設定すると、videoタグを使ったコンテンツの再生が確認できる。
Wikipediaではライセンス料が不要で仕様やコーデックがオープンに開発されているOggを使っている。Oggは動画やオーディオなどのデータを収めるコンテナフォーマットで、代表的な動画コーデックとしてTheora、オーディオコーデックとしてVorbisなどが利用できる。
MozillaファウンデーションをはじめとするWebブラウザベンダの多くは“オープンWeb”を標榜して、特定のOSやWebブラウザ、あるいは特定企業のソフトウェア製品に依存しないインターネットの世界の実現を目指している。動画再生はサーバ、編集環境、プレーヤーなどで私企業のソフトウェアに頼らざるを得なかったほとんど最後の領域だったが、ついにオープンな環境が登場したといえそうだ。
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