レッドハット、サポートセンターの強化などを発表
ミッションクリティカルの基盤をUNIXからLinuxへ
2008/09/25
レッドハットは9月25日、同社の日本市場における戦略を発表した。新たにソフトバンクBBおよびダイワボウ情報システムの2社とソフトウェア販売契約を締結。両社は、「Red Hat Enterprise Linux」「JBoss Enterprise Middleware」などのレッドハット製品のサブスクリプション販売を10月から開始する。
また、東京都内に置いている日本サポートセンターを拡充し、年内に20名以上の体制を確立。ミッションクリティカル環境を中心に、顧客向けのサポートを強化していく。
レッドハットは前日の24日、ミドルウェア「JBoss」の販売促進プログラム「JBossアクセラレーションプログラム」を発表済みだ。WebLogicをはじめとする商用アプリケーションサーバからJBossへの移行促進を狙ったもので、開発環境「JBoss Developer Studio」を1社当たり最大10ユーザーまで無償で提供するほか、2008年12月末までの期間限定で、ローエンドの顧客向けに「JBoss Enterprise Application Platform」の2CPU版を35万1000円で販売する。さらに、移行コンサルティングサービスやフレームワークの「JBoss Seam」導入支援サービスも5日間120万円という価格で提供する。
レッドハットの代表取締役社長、廣川祐司氏は、IDC JapanのOS市場動向予測を挙げ、「2009年にはLinuxとUNIXが、2010年にはメインフレームとクロスオーバーすると予測されている。20011年頃には、これまで長年に渡って企業の基幹業務を支えてきたメインフレームに代わって、Linuxがミッションクリティカルのワークロードの中心になるだろう。レッドハットはこの動きを加速していきたい」と述べた。
また米レッドハット 上級執行役のアレックス・ピンチェフ氏も、これまでUNIXプラットフォーム上で動作してきたミッションクリティカル/ビジネスクリティカルなアプリケーションを、オープンソースソフトウェアに置き換える動きを、パートナーとともに促進していきたいと述べている。
そこでは、オープンソースソフトウェアということが大きな武器になると同氏。プロプライエタリな製品と比べ、コスト削減効果が見込める上、イノベーションのスピードでも勝っているという。「顧客は、プロプライエタリな企業が提供する不要な機能にはもう飽き飽きしており、(オープンソースを用いて)実際に使うための機能を開発しようとしている」(ピンチェフ氏)。
ピンチェフ氏はさらに、「レッドハットはこの数年でLinux OSのリーダーからミドルウェアや仮想化のリーダーへと変化している」とも発言。JBossを柱とするミドルウェアに加え、サポート、仮想化といった分野に事業を広げ、企業のITライフサイクル全体を支援していく姿勢を強調した。
その先にあるのは、SaaSやクラウドコンピューティングといった新たな領域だ。「銀行にせよ小売業にせよ、これまで顧客は大量のハードウェアを購入して、ピーク時の処理に備えていた。この結果普段は、処理能力の20〜30%程度しか使用されることがなかった。しかし次世代の仮想化されたデータセンターは、クラウドという形で展開され、企業は必要に応じてそこからリソースを受け取ることになる。レッドハットでは、これを実現するのはオープンソースソフトウェア以外にはないと考えている」(ピンチェフ氏)。
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