レガシーOSから、オープンな先進OSへの移行を促進

ヴイエムウェアがケータイにも仮想化提供へ

2008/11/11

 米ヴイエムウェアは11月10日、モバイル端末向けのリアルタイムハイパーバイザ「VMware Mobile Virtualization Platform」(VMware MVP)を提供する計画を明らかにした。2008年10月に買収したフランスのベンチャー企業、トランゴ・バーチャル・プロセッサの技術をベースにしたものという。

 VMware MVPを利用すると、PC向けの仮想化技術と同様に、隔離された仮想環境上で複数のOSを実行できる。このことにより、

  • 異なるOSやチップセット向けのドライバやソフトウェアを移植する必要がなく、端末開発メーカーはコスト削減が可能
  • 端末メーカーは、実績があるセキュアな環境による決済アプリケーションをハイパーバイザ上で利用可能としたまま、オープンなOSの採用が可能。オープンOS上ら決済アプリケーションは隔離される
  • 企業ユーザーは、従業員が使うプライベートな端末上で、プライベートな空間から隔離された業務用のOSやソフトウェア環境を導入できる
  • 端末ユーザーは、新規端末への買い替え時にファイルの移動だけでアプリケーションやデータの移行ができる

といったメリットが生まれるという。

vmware02.png トランゴ・バーチャル・プロセッサが2005年に公開したシステム構成の例示
vmware01.png トランゴ・バーチャル・プロセッサが公表しているハイパーバイザの利用例。カード会社が進めるPINコード入力端末の認定「PCI-PED」を受けたアプリケーションをハイパーバイザを使って1コア上に実装できる

 サポート予定のOSは、Windows CE 5.0/6.0、Linux 2.6.x、Symbian 9.x、eCos、μITRON、NORTi、μC/OS-II。トランゴのハイパーバイザはシングルコアもしくはマルチコアのARM、MIPSアーキテクチャをサポートするが、VMware MVPが同等のサポートを提供するかは現時点で不明。

(@IT 西村賢)

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