曲面に投影し、連続的に視点移動

クルマの周囲を自然にドライバーに表示、富士通研

2008/11/17

 富士通研究所は11月17日、運転しているドライバーに車両の全周囲を見やすくリアルタイムで表示する映像処理技術を開発したと発表した。運転シーンに応じて、見たいところを見やすい視点・視界で表示できるという。駐車時や、狭い道でのすれ違い、見通しの悪い交差点への進入や右左折など、さまざまなシーンでドライバーの安全運転を支援する。

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 車両周囲に4つのカメラを設置し、車両周囲のカメラ映像を仮想的な3次元の立体曲面に投影し、さらにこの映像を3次元仮想投影視点変換技術によって、視点を自由に設定・移動できるようにしたという。従来のシステムと異なり、表示映像の切り替え時に滑らかな視線移動ができるため、ドライバーは、どの場所をどこから見ているのかを瞬時に認識し、安全確認を行うことが可能になるという。

 新システムは、富士通マイクロエレクトロニクスが開発したOpenGL ES対応の車載向けグラフィックスSoC「MB86R01」と4つのカメラ映像合成処理LSIで実現した。映像処理時間は30ミリ秒。

 今後は視界補助の効果検証を進め、自動車向けに、車載グラフィックスSoCと画像処理ソフトウェアなどによる映像ソリューションとして、業務用なども含めて順次製品展開を進めるという。

 富士通研究所によれば、2007年の国内車載カメラ市場は400万台を超える規模にまで拡大している。これまで車載カメラシステムとしては、バックモニタや見通しの悪い交差点などでの死角の視界表示をするブラインド・コーナー・モニタ、すれ違い時の死角を補助する側方モニタなどの単体カメラを用いた製品があるほか、駐車時の視界補助として車両周囲に取り付けた4つのカメラで路面を撮影し、2次元映像としてモニタに映す俯瞰カメラシステムなどが実用化されている。

(@IT 西村賢)

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