データベース連携で対応の優先付けも
単なる死活監視に終わらない、日本HPがNNM新バージョン
2008/12/11
日本ヒューレット・パッカード(HP)は12月11日、ルータやスイッチといったネットワーク機器の障害監視や性能管理を行う「HP Network Node Manager i-series v8.10 software」(NNMi v8.1)を発表した。
NNMiは、以前は「HP OpenView Network Node Manager」として開発、提供されてきたネットワーク管理システム。2007年2月、ソフトウェア事業の再編にともない名称を変更した。同年12月リリースのNNMi v8.0では、障害管理と性能管理を統合したほか、アーキテクチャを一新し、3層構造を採用してWebサービスへの対応を強化している。
新バージョンのNNMi v8.1では、アーキテクチャ変更にともないv8.0では実装しきれなかった「マップベース管理」やクラスタ対応による「高可用性対応」など、いくつかの急NNMの機能を復活させた。また、ネットワークトラフィック情報だけでなく、機器のCPUやメモリ使用率、温度など、ハードウェアコンポーネントの稼働状況を把握できる「MIB収集機能」、ルータ冗長化やリンクアグリゲーションといった技術への対応も再び実装されている。
さらに、高精度の解析エンジン「Causal Engine」の活用により、多数の障害情報の原因となっている根本原因をピンポイントで特定できるようにするなど、新機能も搭載された。ポーリングやトラップの検出を通じて、ネットワークへの機器追加や構成変更などをリアルタイムに把握し、常に最新のネットワーク構成に基づいて障害対応を行える「Continuous Spiral Discovery」もその1つだ。
オプション製品は2つ用意されている。「HP Network Node Manager iSPI for Performance 8.10」を利用すれば、単なる死活監視だけでなく、性能情報を加味した障害管理が可能になる。また「HP Network Node Manager iSPI for NET」では、障害が発生した機器からのログ取得、トラップ分析といった作業を自動化できる。これにより、「日々のトラブルシューティングにかかる工数を減らすことができる」(日本HP HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ソフトウェア・ソリューション技術本部 技術第2部 テクニカルコンサルタント 佐々木俊行氏)。
さらに、同社が提供するデータベース「HP UCMDB」と連携して、ネットワークの構成情報を格納できるようになった。ネットワーク機器も含めたさまざまなITインフラの情報を一元化して管理し、ほかのHP software製品群と連携することが可能だ。この結果、どの機器にどのサーバがつながり、どういったアプリケーションやサービスが稼働しているかを把握できるため、「故障が起こったとき、サービスへのインパクトに応じた優先順位付けを行える」(佐々木氏)ことがメリットという。
一連の機能強化により、「これまでネットワークの運用管理は人手がかかって複雑な処理が必要といわれていたが、そうした作業を簡素化する」(日本HP HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 マーケティング部 マーケティングプログラムマネージャ、星野敏彦氏)という。価格は、NNMi v8.1が50ノードで50万4000円から、キャリアやサービスプロバイダー向けの「HP Network Node Manager i8.10 Advanced」が同126万円から。オプション製品はいずれも75万6000円から。2009年1月5日に販売を開始する予定だ。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
- 完全HTTPS化のメリットと極意を大規模Webサービス――ピクシブ、クックパッド、ヤフーの事例から探る (2017/7/13)
2017年6月21日、ピクシブのオフィスで、同社主催の「大規模HTTPS導入Night」が開催された。大規模Webサービスで完全HTTPS化を行うに当たっての技術的、および非技術的な悩みや成果をテーマに、ヤフー、クックパッド、ピクシブの3社が、それぞれの事例について語り合った - ソラコムは、あなたの気が付かないうちに、少しずつ「次」へ進んでいる (2017/7/6)
ソラコムは、「トランスポート技術への非依存」度を高めている。当初はIoT用格安SIMというイメージもあったが、徐々に脱皮しようとしている。パブリッククラウドと同様、付加サービスでユーザーをつかんでいるからだ - Cisco SystemsのIntent-based Networkingは、どうネットワークエンジニアの仕事を変えるか (2017/7/4)
Cisco Systemsは2017年6月、同社イベントCisco Live 2017で、「THE NETWORK. INTUITIVE.」あるいは「Intent-based Networking」といった言葉を使い、ネットワークの構築・運用、そしてネットワークエンジニアの仕事を変えていくと説明した。これはどういうことなのだろうか - ifconfig 〜(IP)ネットワーク環境の確認/設定を行う (2017/7/3)
ifconfigは、LinuxやmacOSなど、主にUNIX系OSで用いるネットワーク環境の状態確認、設定のためのコマンドだ。IPアドレスやサブネットマスク、ブロードキャストアドレスなどの基本的な設定ができる他、イーサネットフレームの最大転送サイズ(MTU)の変更や、VLAN疑似デバイスの作成も可能だ。
キャリアアップ
- - PR -
- - PR -
転職/派遣情報を探す
「ITmedia マーケティング」新着記事
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...
SEOを強化するサイトの9割超が表示速度を重視 で、対策にいくら投資している?
Reproが「Webサイトの表示速度改善についての実態調査 2024」レポートを公開。表示速度改...