高速化、プラグインの挙動修正、ブックマークで機能追加

Google Chromeが正式版に

2008/12/12

 グーグルは12月11日、2008年9月にベータ版としてリリースしたWebブラウザ「Chrome」を正式版としてリリースしたと発表した。最初のリリースから14度のアップデートを繰り返し、安定性とパフォーマンスを向上したという。同社は100日間で1000万人のアクティブユーザーを獲得したとしている。

 最初のベータ版と比べてJavaScript処理エンジンがSunSpiderベンチマークで1.4倍、V8ベンチマークで1.5倍に高速化している。また、ユーザーからの要望が最も多かった高度なブックマーク機能にも対応し、ブックマークのインポート・エクスポートが可能になった。

 正式版ではプラグイン関連の問題を多く解決した。中でも大きな点として同社は「PDF Fast Web View」への対応を挙げている(参考リンク)。これはPDFファイルのうち、必要な部分だけを読み込んで表示可能にする機能に対応するもの。大きなPDFファイルをWebブラウザで閲覧する際には、先頭から順にダウンロードして表示するなど、必要な場所だけをダウンロードして表示できる。PDF Fast Web Viewに対応するにはHTTP1.1対応のWebサーバで利用できる「byte serving」の機能を使い、対象ファイルの指定領域だけをダウンロードする機能が必要だった。Chromeは、こうしたストリームデータの処理機能をプラグインAPIのNPAPI(Netscape Plugin Application Programming Interface)を通して実装し、PDF Fast Web Viewに対応したという。

 このほか、特定のケースでビデオ再生が止まったり、CPUのリソースを食いつぶす問題があったのを修正。YouTubeなどで、よりスムーズなビデオ再生が可能になったとしている。

 今後はフォームの自動入力やRSSサポートなどを実装していくほか、エクステンションのためのプラットフォームも追加予定という。Mac版とLinux版は現在も開発中としている。

(@IT 西村賢)

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