BI機能、Office 14との連携も実現
次期SQL Server「Kilimanjaro」の詳細が明らかに
2008/12/12
来日した米マイクロソフト サーバ&ツール部門 エンタープライズ アプリケーション プラットフォーム マーケティング ゼネラルマネージャであるダン・ノールト(Dan Neault)氏が12月11日、今後の「SQL Server」の方向性と、注目される次期SQL Server「Kilimanjaro」(開発コード名)について詳細を語った。
すでに情報が伝わっているとおり、Kilimanjaroは2010年前半にリリースが予定されている。今回の取材は、このKilimanjaroのキーとなるテクノロジを中心とした内容となった。
Office連携のBIツールを開発できる「Gemini」
Kilimanjaroのコアテクノロジの1つとなるビジネス・インテリジェンス機能であるGeminiは、「Self-service analisys capabirity」を標榜する。「Microsoft SharePoint」のインフォメーションワーカ向けの分析機能や、「Microsoft Office」の次期版(Office 14)との連携により、DBA以外のユーザーが独自に分析ツールを作成できるようになる。
ローカルのクライアントに読み込まれたデータは、自由に分析・加工を行えるうえ、「スライサー」と呼ばれるメモリ常駐のクライアントプロセスによってデータの同期を取れる仕組みが提供されるようだ。スライサー機能は2010年にリリースが予定というOffice 14で実装される予定。GeminiのリリーススケジュールもOffice 14に即したものになるという。
集中的なサーバ管理を実現する「Fabric」
Fabricはサーバインスタンスを検知し、集中的にサーバノードリソースやアプリケーションを管理する機構だ。ポリシーベースでの集中管理はSQL Server 2008ですでに実現しているが、物理的なサーバノードを個別に管理するのではなく、いわば仮想的に「Fabric」という層の下に隠ぺいし、集中管理を行うようになる。加えて、ハードウェア構成の自動最適化機能も提供する。また、アプリケーションのデプロイとポリシーの管理も行える。デプロイしたアプリケーションは複数サーバ間で自動でワークロードのバランスを取ることが可能になるとしている。
並列処理が可能な「Madison」
Madisonは、マイクロソフトが買収したDATAllegroのテクノロジを搭載したユーティリティ・コンピューティング環境を提供するアドオン。2010年に正式リリースされる予定。
Madisonでは、MPP(超並列プロセッサ)による並列処理によって、「OracleやIBMのソリューションを超えた規模感、処理能力を提供できる」という。また、ハードウェアを含め、安価に環境を整えられることも利点となるとしている。価格については現在のところ公表していない。
なお、Kilimanjaroの次のバージョンについては、Kilimanjaroのリリースから3年後の完成を目指して開発が進められているという。こちらの詳細は今後明らかにしていくとのことだ。
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