データ利用者が転送のトラフィック課金を支払い
Amazon S3で、新たなデータマネタイズ手法登場
2009/01/06
米アマゾンは2008年末、オンラインストレージサービスのAmazon S3向けに新機能「Requester Pays」を追加した。Amazon Web Serveicesのエバンジェリスト、ジェフ・バー(Jeff Barr)氏はブログ投稿の中で、「ビジネスモデルの革新は、技術革新と同じく重要だと確信しています」と、今回の機能追加の意義を説明している。
新機能のRequester Paysは、Amazon S3上に保存したデータを利用する場合に掛かる転送量に応じた課金を、データ提供者ではなく利用者側に対して行う仕組み。これにより、大きなデータを公開しても、それによって発生するトラフィックを公開者側が負担する必要がなくなる。これまで通り、1GB当たり15セントなど、Amazon S3上に保存するストレージ利用料は発生する。
Requester Paysは、2007年末にリリースした「Amazon DevPay」の機能と組み合わせて利用できるのが特徴だ。DevPayは月額支払い、一括支払いなど、サービス提供者(開発者)に代行してサービス利用料の徴収を行う仕組み。Requester PaysとDevPayを組み合わせることで、付加価値の高いデータを保持する企業などは、そのデータセットを公開することで収益を上げる方法を確保できる。バー氏は両者を組み合わせて提供するサービスの例として、全米の犬小屋のデータベースを月額20ドル固定で公開するサービスを挙げている。Requester Paysでデータを公開できるのは、Amazon S3利用者に限られるが、DevPayにはそうした制限がない。また、データを公開する提供者はストレージ利用料だけ支払い、転送量に応じたトラフィック課金は発生しない。
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