H.264で撮影、カット編集からアップロードまで完結

動画の手ぶれ補正もケータイ上でできる新チップ、Movidia

2009/01/15

movidia01.jpg Movidia マーケティング・ディレクターのボブ・テイト(Bob Tait)氏

 アイルランドに本社を置くベンチャー企業のMovidiaは1月15日、携帯電話向けのマルチメディアプロセッサ「MA1110」を発表した。撮影後に動画を携帯電話上で編集できるチップで、開発は「世界初」(同社)。アイルランド、日本、香港で同時に発表し、日本市場を含めたグローバル市場で事業展開していく。チップの量産は2009年後半に開始。OEM製品として、端末メーカー、キャリアなどに提供する。

 SDサイズ、30fpsの映像をH.264コーデックでキャプチャーできる。編集については、手ぶれ補正やズーム、輝度、コントラスト、色調の調整を組み合わせたカット編集が行える。「こうした機能は静止画では当たり前で、当然のことのように思われるかもしれないが、動画では膨大な処理が必要で一般にできることではない」(最高執行責任者 ポール・コスティガン氏)。

 実装は独自アーキテクチャだが、一般的なインターフェイスを備えたマルチメディアチップのため、従来のマルチメディアチップと差し替えるだけで、機器の設計を変更せずに利用できるという。SPI、SDIO、USB、メモリバスなど一般的なインターフェイスを実装している。専用回路、ソフトウェア、並列処理技術を組み合わせ低消費電力と高い性能を実現した。SD画質のMPEG2のデコード処理では100ミリワット以下で、これは一般的なプロセッサに比べて低いという。

 Movidiaは社員数は50人。本社のアイルランドのほか、ルーマニアや香港にもソフトウェア開発拠点に置く。2008年10月に1400万ドルの資金を調達している。

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(@IT 西村賢)

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