Windows Media Playerに続き
EU委員会、IE抱き合わせでMSを再び非難
2009/01/19
欧州委員会は1月17日、マイクロソフトに対してInternet ExplorerのOSへの抱き合わせ販売に対して、独占的地位を濫用したEC/EU競争法に抵触しているとの異議告知書(Statement of Objections)を送付したことを明らかにした。異議告知書の中で同委員会は、1996年以来続いているマイクロソフトのWindowsとWebブラウザの抱き合わせはWebブラウザ市場に悪影響を及ぼし、製品の革新を阻害。結果的に消費者の選択を奪っているとする見方を示している。
欧州委員会は、OSとWebブラウザの抱き合わせ出荷により、マイクロソフトのInternet Explorerは競合ブラウザとの直接競争から逃れているとの懸念を表明。これにより、Webブラウザ市場の製品競争のペースダウンや製品品質低下を招いているとする。これは消費者に影響するばかりでなく、コンテンツやサービスの提供者はInternet Explorerを優先して開発する作為的なインセンティブ環境に置かれているとも指摘している。
マイクロソフトは今回の異議告知書に反論することができ、8週間の猶予が与えられる。同社が反論せず、異議告知書の内容が確認された場合、欧州委員会は制裁金を含む法的措置を同社に対して課す可能性がある。マイクロソフトは声明を発表し、現在異議告知書を精査中であるとしている。
今回の欧州委員会の動きは、2007年12月にWebブラウザベンダのOperaが同委員会に対して提出した抗議文を事実上認めたもの。今回の異議告知書送付について、Opera創業者でCEOのヨン・ フォン・テッツナー(Jon S. von Tetzchner)氏は、「10年以上にわたってマイクロソフトが押さえつけてきた市場において、競争を再現するためのステップを踏み出した委員会を、インターネットのすべての利用者を代表して賞賛します」との声明を発表している。
Webブラウザの抱き合わせのほかにも、これまで欧州委員会はマイクロソフトに対してEU競争法違反の認定を行った実績がある。2004年3月にはWindows Media Playerの抱き合わせ販売と、サーバ関連の独自プロトコルによる囲い込みで、欧州委員会は同社に4億9700万ユーロの制裁金を課している。この決定は控訴審を経て2007年9月に確定。しかし2008年2月に、是正命令に従わなかったとの理由から追加制裁金8億9900万ユーロの支払いを命じるなど、欧州委員会とマイクロソフトの攻防は続いてきた。
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