仮想化環境のスケーラビリティを大幅向上
Red Hat Enterprise Linux最新版がリリース
2009/01/21
レッドハットは1月20日、企業向けLinuxディストリビューションの最新バージョン「Red Hat Enterprise Linux 5.3」を発表。日本を含む各国で提供を開始した。バージョン5のリリース以降3度目のマイナーバージョンアップで、仮想化機能のスケーラビリティ向上、Intel Core i7のサポート、OpenJDKの統合などを行った。同社はOpenJDKの統合により、Red Hat Enterprise Linux 5.3とJBossの組み合わせは、業界で初めてのフルオープンソースのエンタープライズJava実行環境になる、としている。ライセンスは無償。テクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラムの提供を含む年額のサブスクリプション価格は、2CPUソケット/4仮想化ゲストまでの「Red Hat Enterprise Linux 5」で1台当たり10万1640円(税込み)など。
仮想化機能のスケーラビリティでは、x86-64アーキテクチャの仮想化機能を32仮想CPU、最大80GBのメモリまで、物理サーバは最大126CPU、1TBのメモリまでサポートまで向上した。
仮想化機能のパフォーマンス改善として、ページテーブルの仮想化によって発生するオーバーヘッドを小さくする「Extended Page Tables」(EPT)やHugepageメモリなどの新機能をサポート。また、従来より多くのディスク、ネットワークインターフェイスを個別仮想化サーバに割り当てることができるようになったほか、準仮想化対応ドライバの改善により、仮想環境でボトルネックとなりがちなI/O性能が向上しているという。
開発関連では、Java SE6対応のOpenJDKが統合されたほか、パフォーマンス監視・計測ツール「Systemtap」を搭載。稼働中のアプリケーションを動的に解析できるツールで、計測ポイントは動的に設定できる。これまでカーネル空間のみ対応していたが、ユーザー空間にも新たに対応した。
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