Google Earth 5.0に新機能

海底も見える「グーグル・オーシャン」

2009/02/03

 グーグルは2月3日、バーチャルな地球儀アプリケーション「Google Earth」の最新版、「Google Earth 5.0」を発表した。海の中の景色を見たり、過去の景色が見られる新機能を発表した。Google Mars 3D機能を搭載し、火星の様子を高解像度の映像で見ることもできる。

 歴史的イメージ機能は、時間をさかのぼって航空写真を表示する機能。地域によってさかのぼれるタイムスパンや時間間隔は異なるが、例えば東京・六本木であれば1997年からの映像を見ることができ、六本木ヒルズが登場する以前の映像を見られる。日本を含め、多くの地域では1995年前後にまでさかのぼれるほか、北米の一部では1940年代にまでさかのぼれる。サンフランシスコにある博物館、アカデミー・オブ・サイエンスで開催されたGoogle Earth 5.0の発表会には、環境問題への取り組みで知られる前米副大統領のアル・ゴア氏も登壇し、過去10年で北米大陸の一部で氷河が小さく縮んでいる様子をデモンストレーションとして示して見せたという。


グーグルが公開したデモンストレーション映像

 オーシャン機能は、視点を海面下に移動して海底の様子を映像で見ることができる機能。Google Earthプロダクトマネージャのピーター・バーチ氏によれば、オーシャン機能開発のきっかけは、「Google Earthは確かにいいけど、アース(土壌)しか表示できない。地球の3分の2は海なのに」と海洋学者に指摘されたことだったという。これまで海抜下の表示を想定していなかったため、オーシャン機能の実装にはコードベース、データモデルの根本的な変更が必要だったという。

 オーシャン機能は20のコンテンツレイヤーを含んでいるという。BBCやナショナル・ジオグラフィックなど、パートナー各社から得た映像やパブリックな映像をレイヤーで重ねて表示する。海底火山の様子を観察したり、海洋生物の映像を鑑賞したり、難破船のストーリーを読んだりできる。「これまで海洋学者のような一部の人しか潜れなかった海が誰でも見られる」(バーチ氏)のがオーシャン機能の一番の特徴だという。グーグルではスタンフォード大学のチームと共同で、GPSを付けたサメを追跡したデータをGoogle Earthの“ツアー”として取り込み。サメが泳いでいるときに見えていると考えられる海底の風景を表示できたという。

 開発チームではGoogle Earthをプラットフォームとして考えており、パートナー企業やユーザーがコンテンツを追加することができるという。これまでレイヤとして重ねて表示するにはKMLファイルを自前で用意する必要があったが、新たに録画機能を搭載した。録画ボタンを押してナビゲートすることで、それをそのまま共有したり、誰かにメールするといった使い方ができるようになった。

 このほか新しくなったGoogle Earthでは火星表面を拡大してみたり、火星上を走った探索機の足跡をたどることができるGoogle Mars 3D機能を追加した。

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(@IT 西村賢)

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