買収したQumranetやOSSの成果物を取り込み

レッドハットがVDIを含む仮想化関連製品を発表

2009/02/24

 米レッドハットは2月23日、仮想化ソリューション群提供の一環として「Red Hat Enterprise Virtualizationポートフォリオ」を発表した。同ポートフォリオには4つの製品が含まれる。

 1つはKVMやXenをサポートする「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)。同社は2008年9月に、Linuxコミュニティで仮想化関連技術をリードするベンチャー企業のQumranetを買収しており、レッドハットでは、Qumranetが中心となって開発を進めてきたKVMを、今後の仮想化製品ポートフォリオの中心に基盤としていくとしている。

 2つ目は「Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Servers」。仮想サーバと仮想デスクトップを統合管理するオープンソースの製品で、ライブマイグレーション、HA、システムスケジューラ、電力管理、イメージ管理、スナップショット、シンプロビジョニング、モニタリング、レポート作成などの機能を備えるという。RHEL5と後述のRed Hat Enterprise Virtualization Hypervisorの両方を管理できる。

 3つ目は「Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Desktops」。Qumranetが持っていた仮想化デスクトップソリューション「SolidICE」をベースにした製品。Solid ICEは「SPICE」と呼ばれる独自プロトコルを用い、仮想デスクトップでもストレスなくストリーミング再生ができるなどの特徴があるという。また、サーバ上のVMイメージを、OSやアプリケーションを含むシステムのマスターイメージと、ユーザー個別の差分イメージの2つに分けて生成することで90%のストレージ容量を削減できる。

 4つ目は「Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor」。これは2007年にスタートしたオープンソースプロジェクト「oVirt」(オーバート)の成果物の1つで、KVMをベースにLinuxカーネルの不要なコードを削った仮想化インフラ。2008年6月の発表時に同社は、そのフットプリントは40MB程度と小さくなるとしていたほか、サーバやアプライアンス製品への組み込みも可能と説明している。また、KVMベースであることから、Linux同様のパフォーマンスやセキュリティ機能、幅広いハードウェアサポートが期待できるという。

 レッドハットは、これら仮想化製品を今後3〜18カ月の間に順次提供予定という。最初の製品は2009年半ばに提供を始める。

(@IT 西村賢)

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