D2Nによる「帯域コスト削減」の提案も

ブルーコート、パケッティア技術を統合したADN構想を発表

2009/02/25

 ブルーコートシステムズは2月25日、アプリケーション配信の最適化を狙う「Application Delivery Network(ADN:アプリケーション配信ネットワーク)」構想を発表した。同時にその実現に向け、2つの製品を強化した。

 ブルーコートは、プロキシ技術をベースにしたWAN高速化/圧縮/Webフィルタリングアプライアンス「ProxySG」を提供してきた。2008年4月には、トラフィック管理/QoS制御アプライアンス「PacketShaper」を提供する米パケッティアを買収。同社のソリューションを組み入れ、「可視化」「高速化」「セキュリティ」という3つの要素を備えたADNを実現するという。

bluecoat01.jpg 米ブルーコートシステムズ 技術・企業戦略担当バイス・プレジデント デイブ・アスプレイ氏

 米ブルーコートシステムズの技術・企業戦略担当バイス・プレジデントのデイブ・アスプレイ氏は、「数年前ならばともかく、ただ単に帯域を増やすだけでは、アプリケーションパフォーマンスは改善しない。いくらパイプが太くなっても、問題は『遅延』。ADNを通じてアクセラレーションを提供することでその解決を図る」と述べた。

 また、この構想を強化するために、新バージョンの「PacketShaper Version 8.4」を発表した。PacketShaperではこれまで、600種類以上の商用アプリケーションを認識し、制御することができたが、今回の機能強化では、企業が独自に開発したり、カスタマイズを加えたアプリケーションの認識が可能になった。

 また、同じく旧パケッティアのアプリケーションパフォーマンス監視ツール「IntelligenceCenter」でも新バージョンをリリース。パフォーマンスをリアルタイムに把握し、問題・遅延が生じそうな場合にプロアクティブに対応できるようにしたという。

本支社間の無駄なトラフィック削減でコスト削減を

 日本法人のSEディレクター、村田真人氏は、不況を背景にITコスト削減の要求が高まっており、「これまでのアプリケーション高速化というニーズに加え、帯域の節約によるコスト削減を求める顧客が増えてきている」と述べた。

 これに対し同社では、支社などからいったん本社やデータセンターにトラフィックを集約してからインターネットに接続するという従来型のネットワークアーキテクチャに代わる「Direct-to-Net(D2N)」というモデルを提案。Webゲートウェイを介して、支社などからも直接インターネットに接続することによって、WAN回線のコストを節約できると説明した。

 村田氏によると、そもそも、本支社間を結ぶイントラネットの通信の半分近くは、業務とは無関係なトラフィックに費やされているという。D2Nのアーキテクチャを採用することで、そうした無駄な通信を削減できるほか、WAN回線を必要な分に絞ることで、通信料金を削減。Webゲートウェイ導入の初期コストは確かにかかるが、9〜15カ月で元が取れると述べている。

(@IT 高橋睦美)

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