エンバカデロが18製品にアクセスできる新製品
DelphiもRailsもDB最適化も1ライセンスで提供
2009/03/04
エンバカデロ・テクノロジーズは3月4日、同社の全18製品を利用できる新しいライセンス製品「Embarcadero All-Acess」を日本市場向けに販売開始した。3月中に出荷を開始する。
All-Accessはエンバカデロが持つJava/.NET/C++/Delphi/PHP/Ruby向けの統合開発環境や、データベース設計・管理ツール、パフォーマンスチューニング関連ツールなどを、1つのライセンスで利用可能とする新しいライセンスの販売形態。価格は37万8000円(税込み)からで、同社製品ユーザー向けには27万7200円(税込み)のアップグレード価格も用意する。価格には初年度のメンテナンス費用が含まれる。最新版へのバージョンアップや、技術情報を提供する同社のWebサイトのプレミアムコンテンツへのアクセスにはライセンスの年次更新が必要だが、1度ライセンスを使ってアンロックした製品は永続的に利用できる。
All-Accessは個別製品の都度購入に比べると、企業ユーザーにとって製品評価や稟議プロセス、ライセンス管理などがシンプルになるメリットがある。また、パフォーマンスチューニングツールなど、頻繁に利用しない製品について導入のハードルを下げることで、事前に明確なROIを示しづらい製品の利用も促したい考えだ。同社代表の藤井等氏は「使えば生産性が上がるのに、必要なときに必要なツールが手元にないという課題がある」と、新しいライセンス販売形態の背景を語る。単一の部署で見れば利用頻度が低くても、組織内で部署横断的に見れば利用価値の高いツールなどで、各ツールの利用頻度を平準化できるのもAll-Accessのメリットだ。例えばIDEなど主要ツールは従来通り利用し、一部ツールの利用目的でAll-Accessの共有ライセンスを導入するといった方法も考えられるという。
インストールなしで起動できる「InstantOn」を実装
評価フェーズでの一時的な利用を促すために、インストール作業なしに即座にアプリケーションをダウンロードして実行できる「InstantOn」機能も実装した。これはアプリケーション仮想化技術の1種で、未インストールのネイティブアプリケーションを、レジストリ情報などに影響を与えることなくローカルPCで起動できる仕組み。インストール時のカスタマイズなどに制限はあるが、単一の実行ファイルはネットワーク上、ローカルPC上のいずれに置いてあってもいいなど利便性が高い。
All-Accessのライセンス形態は、利用できる各ツールのグレード別に「ブロンズ/シルバー/ゴールド/プラチナ」の4段階に分かれている。これは、従来から同社製品にあった区分「Standard/Professional/Enterprise/Platinum」などに相当する。またライセンスの利用形態は3種類ある。「ワークスステーションライセンス」は1ユーザーが1つのPCで利用する形態。「ネットワーク指名ユーザーライセンス」は1ユーザーが複数のPCで利用する形態で、ライセンスサーバが必須となる。「ネットワークコンカレントライセンス」は、組織内の任意のユーザーでライセンスを共有する形態で、同時利用可能な数のライセンスを購入する形となる。オフショア開発では、同一ライセンスによる日本語版と英語版の使い分けなども可能という。
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