10Gbpsから40G、100Gbpsへのスムーズな移行を可能に
ノーテル、「オプティカル関連製品は再建過程の核に」
2009/03/09
ノーテルネットワークスは3月9日、同社が取り組む40G/100Gbpsのオプティカルネットワーク技術に関する説明会を行った。ノーテル本社は1月15日に、カナダで企業債権者調整法を、米国で連邦破産法11条をそれぞれ申請したが、「会社再建の過程において、オプティカル関連製品は非常に重要な核になると考えている」(同社プロダクトラインマネジメント バイスプレジデント スコット・マクフィーリー氏)という。
ノーテルは2008年5月に、40Gbpsでの伝送が可能な「Nortel Optical Multiservice Edge 6500」をリリースしている。2009年末までには、共通の基礎技術をベースに100Gbpsの伝送を可能にする新製品を投入する計画だ。
従来の10Gbpsまでの波長多重製品は、1つの波長に載せる信号速度を増加させるというアプローチで高速化を図ってきた。だが、それ以上の高速化を実現しようとすると、色分散や偏波分散といった光学的な影響が増大してパフォーマンスに影響が生じるほか、伝送距離が短くなりネットワーク構成の柔軟性が損なわれるといった課題に直面することになる。
そこでノーテルでは、40Gbpsや100Gbps向けに異なるアプローチを採用したという。具体的には、無線ネットワークで利用されてきた偏波多重や多値変調といった技術を応用し、1つの信号上で複数のデータを搬送できるようにしたこと。もう1つは、CMOSをベースとした「コヒーレント・デジタル・レシーバー」で、従来の10Gbpsまでの技術を活用しながら高速な処理を可能にするという。
「CMOSは標準的な技術の上に成り立っているため適用範囲が広く、規模の経済によるメリットを享受しやすい。一方オプティカルコンポーネントは適用範囲が狭く、コスト効果が小さい」(マクフィーリー氏)。さらに、10Gbpsまでのネットワークで培ってきたオペレーションやエンジニアリングに関するノウハウを生かせることもメリットという。
高品質な動画やP2Pアプリケーションの普及によって、帯域に対する要求は高まるばかりだが、「ノーテルの技術では、新しいファイバを追加したりネットワークデザインを改めることなく、既存の技術を活用して40Gbps、そして100Gbpsに移行することができる」(同氏)とした。2009年末に登場予定の100Gbps対応製品ではCMOS、つまりラインカードを入れ替えるだけで、40Gbpsから100Gbpsへの高速化が可能になるという。
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