タグやコードの知識は関係なし

クラウド時代の「ホームページ作成ソフト」、Jimdoを使ってみた

2009/03/26

 ドイツのベンチャー企業、Jimdoが提供するCMSサービス「Jimdo」。このサービスをKDDIウェブコミュニケーションズが日本語化して、3月25日から提供を開始した。ブログとしても利用できるこのサービスは、すでに全世界で約50万人が利用しているという。日本語版は、初年度で30万のアカウント登録数を目指す。

 無料の「Free版」と月額945円の「Pro版」があり、Free版は、ページ上に広告が掲載され、容量500MBまで利用できる。Pro版は広告の掲載はなく、5GBまで利用できる。Pro版では「独自ドメイン」「5つまでのメールアカウント」「詳細なアクセスログ」といった追加機能があり、中小企業向けに開発中だという「Biz版(仮称)」ではさらに、アクセス制限や記事公開のための承認ワークフローのための機能追加を検討中だという。

module.jpg さまざまなモジュールが用意されている

 Jimdoは、HTMLやCSSを意識することなく、簡単に素早くWebページを構築できるのが特徴だ。YouTubeの動画をobjectタグなしの閲覧URLのみで簡単に貼ることができたり、Jimdoを使っている友人を招待してWeb上に表示できたりと、“いまどき”な機能も搭載している。

 実際の使い勝手はどうなのか? まずは「Web初心者が個人でホームページを作る」という視点で使ってみた。

 デザインの変更や文章の編集、レイアウトの調整がすべてWeb上で完結している。サービスにログインすると画面右に「レイアウト」「スタイル」などのメニューが表示され、そこからクリックのみで、全体のデザインを変えたり、文字のカラーやスタイルを調整したりできる。

title.jpg ログインした状態で気になるパーツをクリックして編集できる

 タイトルの変更などは、変更したいパーツをクリックすれば、編集画面が開き、開いた画面で編集し「保存」をクリックすると、ページが書き換えられる仕組みだ。いわゆるWYSIWYG形式で、すぐにリッチなホームページができてしまった。

 この間、FTPはもちろん、「管理画面」というようなバックエンド要素をユーザーはまったく意識しなくていいというのも、Web初心者にとってはうれしいポイントになるだろう。

 うたい文句にあるように、HTMLやCSSの知識がなくても、簡単に素早くホームページができてしまう。ただ、Ajaxをベースとしたこのユーザーインターフェイスを、HTMLをいまひとつ理解していないユーザーが本当に使いこなせるか? という点では少々疑問が残る。が、ExcelやPowerPointなどのよく使われているビジネスアプリケーションも、ある程度のUIへの「慣れ」が必要となる。Jimdoも使い慣れるまで少し時間がかかるかもしれない。

 例えば、FTTHサービスの加入者に、手厚く分かりやすいマニュアルとともにこのサービスを紹介したとする。そうすることで、これまで「何か表現したい。インターネットでね」と思っていても、ブログの管理画面すら難しくて分からなかったユーザーが、10年前のホームページビルダーを使うように、マニュアルを参照しながら、Jimdoでホームページを作るという現象も起こりうる、といったら期待しすぎか。

 今後、Web完結型のいわゆるクラウドアプリケーションはますます増えていくだろうが、まだまだ一般には「Webに詳しい人が使っているもの」というイメージが強い。このイメージを、KDDIブランドと“誰でも簡単にホームページが作れる無料ソフト”といったパッケージで払拭していけば、非IT系の人が利用できるようになるのではないだろうか。

(@IT 河内典子)

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