ワープロ、表計算、プレゼン、各種1980円から

格安オフィスのKingsoft Officeがdocxに対応

2009/03/26

　キングソフトは3月26日、Microsoft Officeとの高い互換性をウリにした統合オフィスソフトの新バージョン「KINGSOFT Office 2010」のダウンロード販売を開始した。公式ページでダウンロード購入できるほか、全国の量販店でパッケージ版（CD-ROMおよびUSBメモリ）の販売を4月24日から開始する。ワープロや表計算など1製品当たり1980円からという低価格を武器に「PCの価格が低下してきているトレンドの中で手軽に利用できるオフィスソリューションとして販売を進めていく」（同社代表取締役沈海寅氏）としている。

　価格は「KINGSOFT Writer 2010」、「KINGSOFT Spreadsheets 2010」、「KINGSOFT Presentation 2010」がそれぞれ1980円（税込み）。3つをセットにした「KINGSOFT Office 2010 Standard」は4980円（税込み）。これにVBA対応としたスイート「KINGSOFT Office 2010 Standard VBA対応版」が5480円（税込み）。このほか、プレゼンテーションソフトを除いた個人ユーザー向けの「KINGSOFT Office 2010 Personal」も3480円（税込み）で販売する。既存のKINGSOFT Officeユーザーは自動アップデート機能で順次最新版にバージョンアップする。

代表取締役沈海寅氏

　KINGSOFT Officeは、Microsoft Officeの文書形式（doc、xls、ppt）を読み書きできる互換オフィス製品として国内では2007年2月から販売している。Microsoft Office製品とは、データの互換性だけでなく、ユーザーインターフェイスや操作性も似せて作られている（参考記事：格安互換ソフト、キングソフトオフィス2007を試して思う）。同社によれば、累計で70万ダウンロードを達成したという。

　新バージョンでは、新たにMicrosoft Office 2007の文書形式（docx、xlsx、pptx）の閲覧や編集に対応した。ただし、保存に関しては従来どおり2007以前の形式（doc、xls、ppt）のみの対応となる。この点について翁氏は、「われわれとしては、これでOffice 2007ユーザーとのファイルのやりとりには問題がないと考えている」とコメントしている。

　Microsoft Officeとの互換性をさらに向上させた。レイアウトの再現性を高めたほか、Spreadsheetsでは統計関数やデータベース関数、数学関連の関数など新たに25関数を追加。Microsoft Excel 2007がサポートする関数の約8割（259/348）に対応したという。

docxやxlsxの読み込み、編集に対応し、表示の互換性を向上したという

　Micorsoft Office互換を全面に押し出してきた同社だが、Microsoft Officeと異なる点もある。1つはMicrosoft Office 2007の新UIのリボン・インターフェイスを未採用であること。もう1つは、Microsoft Officeが対応していないPDF出力に標準対応すること。また、自動アップデート機能による無償アップデートを行う点も異なる。同社に寄れば国内販売開始後、これまでに計6回、ピボットテーブルや数式エディタなどのアップデータを配布している。

　独自機能として新たにプラグインにも対応した。今回のリリースでは、世代管理が可能なクリップボードや作表時に表のスタイルを選択・適用できるプラグイン、プレゼンテーションをFlashや画像ファイルに出力するプラグインなどを提供。今後も「次から次へプラグインを提供していく」（沈氏）としている。