速ければ次週にも

Skype、Apple iPhone向けIP電話アプリ発表か

2009/03/30

 BlackBerryスマートフォンをやめてスリムなiPhoneへの乗り換えを考えている中小企業経営者にとって、乗り換える理由がもう1つ増えるかもしれない。インターネットで出回っている未確認情報によれば、Skype(eBayの子会社)はラスベガスで開かれるCTIA Wirelessカンファレンスで、iPhone向けのアプリケーションをデビューさせるという。

 うわさの発端は、テクノロジブログのGigaOMが「極めて信頼できる」筋からの情報として、Skype iPhoneアプリケーションが間もなく、早ければ次週にも登場すると伝えたこと。そのタイミングなら、4月1日に開幕するCTIAカンファレンスと一致する。

 iPhoneでSkypeを使える機能はTruphoneやNimbuzzといったサードパーティーデベロッパが提供しているが、iPhone向けSkypeのスタンドアロンクライアントは初めてとなる。NimbuzzはBlackBerryでもSkypeを使えるようにしている。Skypeは2008年12月に、Windows Mobile端末向けのβクライアント「Skype Lite」を発表した。2009年1月現在、SkypeはグーグルのAndroid携帯と、100以上のJava対応携帯で利用できる。

 インターネット経由で電話ができるSkypeのソフトウェアでは、インスタントメッセージ(IM)の送信やファイル転送、ビデオカンファレンスも可能だ。同社は急成長を続けており、2009年1月現在、3カ月で約3000万人のペースで利用者が増え、世界で4億500万のユーザーアカウントがあるとしている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは3月23日、eBayがSkypeに収益の拡大を迫っており、そのために同社は法人市場に力を入れるかもしれないと報じた。Skypeは、ユーザーが会社の電話システムに接続できるソフトをリリースする計画で、料金は携帯電話と固定電話にかける場合は1分当たり2.1セントだが、Skypeソフトを導入しているシステムにかける場合は無料にするという。

 企業向けSkype担当ジェネラルマネジャーのステファン・オバーグ氏はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応え、不況の中で削れる部分の経費を削りたいと考えている中堅中小企業(SMB)にとっての魅力をさらに高めたいと説明、「われわれがこれまでに提供できていた以上のものを、企業は求めている」と話した。

 VoIPソリューションはユニファイドコミュニケーション(UC)システムと並び、「SMBが注目すべきテクノロジ」の常連に数えられ、Skypeはミッドマーケット企業向けのVoIPソリューション提供に力を入れている。数日前にはP2PのVoIPクライアントと既存のIP PBXとの通信を実現する「Skype for SIP(Session Initiation Protocol)」のβ版をリリースした。同サービスは年内に正式リリース予定。

 「Skype for SIPの登場は、Skypeにとって、そして通信への依存度が高い世界中の企業にとって重要だ」。オバーグ氏は用意した談話でこう述べている。「明らかなコスト削減と、大きなユーザーベースを持つSkypeのリーチを、通話処理機能、従来のオフィス向けPBXシステムの統計・統合機能と効果的に組み合わせ、現代の企業に多大な経費節減と生産性の向上をもたらす」

原文へのリンク

(eWEEK Nathan Eddy)

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