マイクロソフト担当者が回答
Windows 7の「XPモード」って何だ?
2009/04/30
マイクロソフトは次期メジャーバージョンの「Windows 7」上で、Windows XP向けに書かれたアプリケーションを仮想化によって走らせる「Windows XP Mode」の搭載を計画している。4月30日にベータ版を公開するのに先だち、4月28日に同社はWebページ上にQ&Aを掲載した。
マイクロソフトでデスクトップ仮想化関連の製品を担当するスコット・ウッドゲイト氏によれば、XPモードは仮想レイヤに相当する「Windows Virtual PC」と、その上で動く「仮想Windows XP環境」の2つからなる。XPモードを利用するのに、ユーザーは特別に仮想環境を意識する必要はなく、ちょうどLinux上のWindowsエミュレータ、Wineのようになるようだ。ダウンロードしたアプリケーションやCD-ROMを使ったアプリケーションのインストールは、一般的な手順で行い、Windows 7上のスタートメニューに収まる。アプリケーションの起動は1クリックだ。
仮想環境としてのWindows XP環境は、ファイアウォールが設定されているほか、Windows Updateなども適用される。マルソフトウェア対策、ウイルス対策ソフトウェアは入っていないため、これらの導入を推奨する、としている。
仮想化という技術的制約のため、XPモードの利用が適したアプリケーションは、ビジネスアプリケーション。パフォーマンス要件が厳しくないことと、基本的なWindowsのAPIに準拠していることなどが、仮想化向きだという。逆にXPモードが向かないのは、ハードウェアをヘビーに使う3Dグラフィック、オーディオ、テレビチューナーなどのコンシューマ向けアプリケーション。動作要件も厳しく、ウッドゲイト氏は最低限2GBのメモリを搭載することが望ましいとしている。また、Virtual PCの利用には、CPUによる仮想化サポート、具体的には「Intel VT」または「AMD-V」が必須だ。古い世代のPCでは、これらを搭載していない可能性があるほか、もし搭載していても出荷時のBIOS設定でオフになっているケースもあるだろう。
XPモードは、Windows 7への移行で互換性問題を懸念する中小規模の企業ユーザーへの配慮から出てきたようだ。マイクロソフトは、大企業ユーザーには、デスクトップ仮想化製品の「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization」(MED-V)の利用を勧めている。MED-V 2.0はWindows 7出荷後90日以内にリリースするという。
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