新サーバとストレージを国内発表

デル、「中堅・中小企業も仮想化による効率化を」

2009/06/22

 デルは6月19日、中堅・中小企業をターゲットとしたサーバやストレージを国内発表するとともに、あらゆる規模の企業に対し、効率向上をテーマとして仮想化を積極的に推進していく考えを明らかにした。

dell01.jpg 米デル エンタープライズ・ストレージ&ネットワーキング グローバル・マーケティング・ディレクター プラビーン・アスタナ氏

 「当社は3月に一般企業の効率化をもたらす一連のソリューションを発表した(注:Xeon 5500番台搭載サーバ群の発表のこと。国内発表は4月1日)。今回の発表は、これを中堅・中小企業(SMB)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)といったほかのセグメントに広げるものだ。効率化の道のりは旅のようなもの。われわれは四半期ごとに新たな発表を重ねていく」と米デルエンタープライズ・ストレージ&ネットワーキング グローバル・マーケティング・ディレクターのプラビーン・アスタナ(Praveen Asthana)氏は説明した。デルは組織面でも、これまでの地域を軸とした体制から、大企業、SMB、HPCという顧客層にフォーカスした体制に変更、それぞれのセグメントでのビジネス拡大に力を入れている。

 今回発表したサーバは「PowerEdge T710」「PowerEdge T410」「PowerEdge R410」。いずれもXeon 5500番台を最大2基搭載するサーバ。4月1日に発表済みのサーバ製品との比較では、特にT410とT710は、タワー型で価格も低く、SMBに利用しやすいサーバという位置付け。NASでもXeon 5500番台搭載サーバをベースにした新製品「PowerVault NX3000」を7月上旬に発売する。iSCSIストレージの「Dell Equallogic」では 、これまでより低い価格帯(最小構成で273万円)を狙ったエントリ製品「PS4000」を6月18日に出荷開始した。いわゆる中小企業にはこれでも高価なイメージがあるが、ITシステムが成長を続けるような企業に適した製品として提案していく。またHPC向けにはラックマウントサーバのR410を推進する。

 アスタナ氏は「効率化のカギは仮想化」と言い切る。しかし、仮想化環境で利用する製品の組み合わせの実証や、導入・運用に時間や手間の掛かる場合も少なくない。そこでアスタナ氏は、顧客が迅速に仮想化のメリットを得られるように、大企業、SMB、HPC のそれぞれの分野で検証済みのソリューションを提案し、併せてコンサルティングを展開していくと話した。

dell02.jpg デルはコンサルティングや管理のサービスを細分化し、必要なサービスだけを受けられるようにしているという

 大企業には、「VMware vSphere 4」にノベルのP2Vツール「PlateSpin Migrate」、さらにPSシリーズにおけるスナップショット機能のvSphereとの統合、災害復旧/障害対策としてPS4000によるデータの遠隔複製、企業データセンター最適化コンサルティングサービスの「ProConsult DC Optimization」などを提案する。HPCでは例えばR410を使ったクラスタリングを提案、ファームウェアをいつでもロールバックできる同社サーバの標準管理機能「ライフサイクルコントローラ」のメリットを訴える。また、災害復旧コンサルティングの「ProConsult Disaster Recovery Consulting」を提供する。SMBに対しては、T410やT710、管理が容易なPS4000、小規模企業向けの「ProConsult Virtualization」仮想化コンサルティングなどを展開する。

dell03.jpg Webでの情報発信も強化していく

 デルはSMBを従業員数500人までの企業と定義している。日本におけるSMB事業について、デル SMBマーケティング本部 北アジア地区本部長の原田洋次氏は、同社の豊富なサーバ製品ラインアップとワンストップショッピング/サポート窓口一本化のメリットを強調した。SMBといっても個々の企業のニーズは異なるため、特定の製品を組み合わせたパッケージをつくるようなことはないが、これまでの実績をベースに、顧客ごとに最適なソリューションを提案していきたいという。

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(@IT 三木泉)

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