レッドハット幹部が仮想化、クラウドで自社戦略に自信

「2年後、誰もハイパーバイザの話をしなくなる」

2009/06/23

redhat01.jpg 米レッドハット エグゼクティブ・バイス・プレジデントのポール・コーミア氏

 「今から2年後には、誰もハイパーバイザの話なんかしてないでしょう。それは単にOSの一部で、すでにそこにあるのです」。6月23日に都内で会見した米レッドハット エグゼクティブ・バイス・プレジデントのポール・コーミア氏は、そう語り、同社が現在推進している仮想化関連の取り組みに自信を見せた。

 現在レッドハットは仮想化インフラとしてXenとKVMを2本立てで提供しているが、KVMのほうが理にかなっているという。KVMはLinuxカーネルの一部として開発されているため、省電力機能、ドライバ実装など、Linuxカーネルに取り込まれた機能はすべてKVMで利用できるからだ。「(開発コミュニティの)アップストリームで開発されていて、Linuxの一部であることはきわめて大きなアドバンテージ。XenはOSとは別レイヤなので、2度手間となる」(コーミア氏)。レッドハットは6月16日にKVMを組み込んだ「Red Hat Enterprise Virtualization」(RHEV)のベータ版提供を開始するなど、仮想化への取り組みを加速させている。「Linuxカーネルで動くものは、すべてRHEVでも動く」(コーミア氏)。RHEVは仮想サーバ管理ソフトウェアやVDI製品という2つのコンポーネントを提供予定だ。

 クラウドコンピューティングの文脈でも、OS、仮想化、ミドルウェアのすべてをそろえたレッドハットとマイクロソフトだけが、エンタープライズレベルで必要となる要素技術をすべて手中にしていると強気だ。「VMwareは早い時期からリードしていて手強い競合だが、われわれは非常にいいポジションにある。必要なものをすべて持っているのはわれわれとマイクロソフトだけだ」(コーミア氏)という。

(@IT 西村賢)

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