過去10年で激変
スパコン上位、Intel+Linux色がより鮮明に
2009/06/30
世界最速のコンピュータシステムをランクする「TOP500」プロジェクトは2009年6月23日、最新ランキングを公表した。同プロジェクトは1993年から年に2度、LINPACKベンチマークによる性能測定を行い、結果を公表している。
今回のハイライトはサウジアラビアのアブドゥラ科学技術大学に設置されたIBM BlueGene/Pが14位に新たにランクインしたことや、、ランキング15位で中国の上海スーパーコンピュータセンターに設置されたDawning 5000AがWindows HPC 2008 operating systemで稼働することなど。1位はIBMのRoadrunner、2位はCrayのJaguarと変動なし。
改めて目を引くのは、インテルアーキテクチャとLinuxの躍進だ。半年前の前回調査で500システム中379システムをインテル製プロセッサ搭載システムが占めたが、今回399システムに増加。シェアでは75.8%から79.8%と、4ポイント増。ほぼ8割に迫る勢いとなった。
ちょうど10年前の1999年6月の結果をグラフで見てみると、SPARC、MIPS、Alphaなど多様だったスパコンのアーキテクチャが、x86+Linuxに収れんしつつある様子がハッキリと見て取れる。
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