赤外線写真を使用し高温部を計測

APCが低価格なデータセンターアセスメントサービス発表

2009/07/02

 APCジャパンは7月2日、同社のデータセンター・アセスメントサービスで、新たに3つのサービスを提供開始したと発表した。

 APCジャパンは2009年12月にデータセンター・アセスメントサービスを発表。「数値流体力学を使用したデータセンタ空調解析」「データセンタ電源効率アセスメント」「データセンタ電源・空調アセスメント」の3つを提供してきた。同社サービス事業部サービスオペレーション部部長 神谷徹氏によると、すでに10件以上の実績があるという。

 今回発表したのは「データセンタ熱分布アセスメント」「サーマルスキャン・ライト」「ワイヤリングクローゼットアセスメント」の3サービス。より低価格なサービスの提供により、サービスビジネス事業の拡大を目指す。2009年中に50件程度の商談獲得が目標という。

 「データ熱分布アセスメント」(63万9000円から)は、赤外線カメラを用い、データセンター各所の温度測定を実施。業界ガイドラインを上回る箇所については、レポートで問題点を指摘するとともに、改善策を提示する。高温が発見された配電盤については、電流値を計測する。目視で、機器の不適切な設置や破損がないかもチェックする。同サービスでは、主幹ブレーカ、変圧器、断路器、UPS、分電盤、配電盤と、データセンター内外の機器を幅広く対象とする。

apc01.jpg データ熱分布アセスメントの報告書例の一部。ここでは排気ダクトが高温化し、データセンターの空調効率を低下させているため、断熱材を周囲に巻くなどの対策を提案している

 「サーマルスキャン・ライト」は「データセンタ熱分布アセスメント」の廉価版。対象を配電盤とラックに限定し、赤外線カメラで高温箇所を指摘するとともに、目視検査を行う。価格は26万4000円から。

 「ワイヤリングクローゼットアセスメント」では、ワイヤリングクロゼットへの配電状況の把握、既存UPSの電力効率計測などを実施。最適なUPSソリューションを提案。また、ワイヤリングクロゼットの温度レベル、ラックの送風効率なども計測する。これらの計測結果に基づき、冷却効率を損なっている要因を解析し、解決策を提案するという。

 APCジャパンのアセスメントサービスは同社の製品販売促進活動ではなく、中立的な提言を行うことが特徴という。特に「データセンタ熱分布アセスメント」や「サーマルスキャン・ライト」では、改善策提案に特定の製品を含めるようなことはない。神谷氏は、「データセンターで問題を抱えているが、どんな対策をしたらいいか分からないという人も多い。こうした人に、まず低コストで問題点を把握することを勧めたい」と話している。

(@IT 三木泉)

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