サーバ集約のトレンドに対応
APCジャパン、「1システム1UPS」目指し新製品投入
2009/07/17
エーピーシー・ジャパンは7月16日、中容量UPS製品ラインアップの拡充を発表した。「小型UPSのリーダーであるAPCは中型UPSでもリーダーとなる」と同社取締役社長 内藤眞氏は宣言した。
APCジャパンは、国内のUPS市場において中容量UPS(容量でいえば5〜30kVA)の占める比重が高まってきているという。同社の推定によると、2007年第1四半期に全UPSの13%だったが、2009年第1四半期には19%に増加した。そこで、これまで「Symmetra PX/LX」「Smart-UPS RM」「Smart-UPS RT」で構成してきた同社の中容量UPSラインアップを、RTの強化と新シリーズ「Smart-UPS VT」の投入で拡大する。
APCジャパンでは、最近のITトレンドのうち、サーバの集約化と仮想化、そしてこれらに伴う外部ストレージの増加に注目。従来のように、サーバ、ストレージ、ネットワークスイッチ1台ごとにUPSを設置する形態では、停電時に正しい順序、正しい時間差でシャットダウン作業と再起動作業を行うことが困難になっているとする。特にUPSはバッテリ劣化の問題があり、多数のUPSを連携した時間差シャットダウン/起動を設計しても、1台のUPSにおける劣化により、一連のプロセスが失敗する問題も発生しかねないという。
これを防ぐには「1システム1UPS」、つまりサーバ、ストレージ、ネットワーク機器を一括で保護することが重要とし、中容量UPSと、さまざまなOS、仮想化ソフトウェアに対応する同社の管理ソフト「PowerChute」などの組み合わせの重要性をアピールしている。
APCジャパンは今回、下図中の青および赤の製品を発表した。
新製品は3Uの「Smart-UPS RT 6000」、単相200V入力、12Uの「Smart-UPS RT 14k/18k」、三相200V入力の「Smart-UPS VT」。RT 6000は入力単相3線100V/200V、出力は単相3線および単相2線の100/200Vが可能な、容量6000VA(200V時)の製品。バッテリはホットスワップが可能。拡張バッテリパックの増設もできる。RT 14k/18kは単相2線200V出力、容量は1400VAあるいは1800VA。
VTは20000VA/30000VAと、新製品のなかで最大の容量を備える。UPSは負荷が低いほど効率が低下する特徴があるが、同製品では負荷が20%以上では90%の効率を実現、40〜100%では93%と効率が高い。バッテリはホットスワップ可能。データセンターだけでなく、スーパーマーケットなどの店舗や、医療診断機器の保護などの用途も訴求する。
標準価格と発売日は、RT 6000が100万2330円で9月30日、RT14k/18kが211万9215円と275万5095円で9月30日、VTが326万9175円から746万3190円で7月16日となっている。
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