H3Cがデータセンター向けスイッチ、2シリーズを投入
「H3Cはエッジだけじゃありません」
2009/07/22
H3Cテクノロジージャパン(H3C)は7月22日、データセンターやネットワークコア、アグリゲーションレイヤでの利用を想定したハイエンドのシャーシ型スイッチ「H3C S12500シリーズ」とボックス型スイッチ「H3C S5800シリーズ」を発表した。
H3C代表取締役社長の久保田則夫氏は、H3Cの製品群は、永年保証や高い品質レベルによって初期投資と運用コストの両方を削減できると述べ、「H3Cというとレイヤ2のエッジ向けスイッチというイメージがあるが、それを払しょくしていく」とした。顧客への価値提案に向けてパートナー展開を強化していくという。
シャーシ型スイッチのH3C S12500シリーズは、10ギガビットイーサネット(GbE)に対応したハイエンドスイッチで、8スロットシャーシの「S12508」と18スロットシャーシの「S12518」の2モデルが用意されている。このうちS12518のスイッチング容量は6.6Tbps、転送能力は2160Mppsで、ノンブロッキング構成で最大128個の10GbEポートを収容できる。さらに将来的には、40GbEや100GbEへの対応を予定しており、来年中に40GbE/100GbE対応モジュールをリリースする計画で開発を進めているという。
もう1つの特徴として、「IRF(Intelligent Resilient Framework)」という独自技術により、複数のスイッチを論理的に1つのスイッチとして扱えることが挙げられる。この結果、サーバ数の増加に対応するためスイッチを丸ごと1台追加するような場合でも、ネットワークトポロジに変更を加えることなく、最小限の設定でポートを追加することができる。また、DLA(分散リンクアグリゲーション)を組み合わせれば、ニーズに応じた処理能力の向上に加え、冗長性も確保できることがメリットだ。
一方のS5800シリーズは、データセンターでのアグリゲーションなどでの利用を想定したボックス型のスイッチだ。10GbE対応の「S5820Xシリーズ」、24MBのバッファリングシステムを搭載した「S5810シリーズ」も含めた3ファミリ、9製品が用意されている。
S5800シリーズは、S12500シリーズ同様IRFをサポートしており、システムの成長に合わせてネットワークを拡張できる。また、サードパーティ製も含めたさまざまなサービスをスイッチ上で動作させることができる「OAA(Open Application Architecture)」という仕組みをサポートしていることが大きな特徴だ。OAA拡張モジュールを追加することにより、ファイアウォールやIPS、ワイヤレスコントロールやWAN高速化といった多様なサービスをスイッチ本体に搭載し、提供することができる。すでに海外では、カスペルスキーのセキュリティソフトウェアを搭載しているケースがあるという。
参考価格は、S12508シャーシに10GbEを64ポート実装した場合で4660万円、S5800シリーズは128万円から。いずれも9月に出荷開始の予定だ。
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