「IEなし」では不十分
Windows 7欧州版に「ブラウザ投票画面」
2009/07/27
米マイクロソフトは7月24日、ヨーロッパ市場向けWindows 7に、利用者がブラウザを選択できる“投票画面”を設けることを、欧州委員会(EC)に対して提案したと発表した。ヨーロッパで出荷されるWindows PCには、IE以外も含むブラウザ選択画面が登場し、ユーザーが選択することでダウンロード、インストールが可能になる。マイクロソフトがサンプルとして示した画面には、簡単な記述とともに、IE、Firefox、Safari、Google Chrome、Operaのアイコンが示されている。
現在マイクロソフトは、ヨーロッパでは「Windows 7 E」と名付けられたIEなしのバージョンをOEM向けに提供しているが、今回の提案をECが適法として承認すれば、ブラウザ投票画面を含むWindows 7について準備を進めるという。出荷時に用意するブラウザのアイコンの数や種類は、OEM先が決めることになりそうだ。
ECは同日コメントを発表、「委員会は今回の提案を歓迎します。また、消費者の選択を真に確保するものであるかという点について、その現実的な効果を調査します」としている。
ECはこれまで2009年1月に、IEのOSへの抱き合わせ販売に対して、独占的地位を濫用していて、EC/EU競争法に抵触しているとの異議告知書(Statement of Objections)を送付した経緯がある。異議告知書では、Webブラウザ市場の製品競争のペースダウンや製品品質低下を招いているばかりでなく、コンテンツやサービスの提供者がIEを優先して開発する作為的なインセンティブ環境に置かれているとも指摘していた。
これに対して2009年6月にWindows 7にIEを搭載しない案を提案したが、EC側はこれに対して、ブラウザ非搭載OSではなく、ブラウザの選択肢があるOSを搭載する案を提案していた。今回のマイクロソフトの提案は、このEC案に従ったものと見られる。
マイクロソフトは同時に、Windows製品、サーバ製品、オフィス製品についても、相互運用性確保のための取り組みについて、その概要を明らかにしている。
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