UTF-8やアンチエイリア対応

Emacsが約2年ぶりのメジャーバージョンアップ

2009/07/30

 GNU Projectは7月29日、GNU Emacsの最新バージョン「Emacs 23.1」をリリースした。2007年6月に出たEmacs 22.1以来、約2年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。GNU/Linux、FreeBSD、SolarisなどUNIX系OSのほか、MS-DOSやWindowsもサポートする。

 Unicodeサポートを改善したほか、複数のフォントシステムが扱えるようになるなど、大きな変更がある。PDFファイルやSVGファイルの表示に対応したこと、上下の行の移動が論理行単位から表示行単位に変わったことなど、細かな変更も多い。XEmbed仕様に対応し、X上のほかのアプリケーションへの埋め込みが容易になったという。

emacs01.png 新しくリリースされたEmacs 23.1(Ubuntu上でビルドしたもの)
emacs02.png Xftに対応し、滑らかなアンチエイリアス対応の表示が可能となった
emacs03.png SVGの表示に対応。ファイルを読み込むとグラフィックとして表示し「C-c、C-c」でXMLデータにトグル表示する
emacs04.png 新たに添付されるDocViewモードではPDFファイルの表示にも対応している

 表示の外見上は、Xftをサポートし、アンチエイリアス対応となったこと、ウィンドウの透明度を指定できるようになったことが大きい。アクティブ時と非アクティブ時で透明度を変えることもできる。

 オプションを付けることで、デーモンとしてEmacsを起動できるようになった。このデーモンに対して「emacslient」で接続、1つのEmacsを複数のターミナルやXクライアントから利用できるようになった。

 Emacs Lispによる拡張パッケージとして、EasyPGモードやnXMLモード、Rubyモード、JSONパッケージ、D-Bus接続パッケージなどを標準添付。D-BusはX Window System上のデスクトップ環境でも使われている標準的なメッセージングシステムで、Linux上のプリンタやネットワーク設定機能と連携させることが可能という。

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(@IT 西村賢)

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