相互接続検証の場としての役割を重視
新たな運営主体の下で生まれ変わるInterop Tokyo
2009/08/05
インターネット関連展示会/カンファレンスとして広く知られてきた「Interop Tokyo」が生まれ変わる。
ナノオプトロニクス・エナジーは8月4日、Interop Tokyoの今後に関する記者説明会を開催。同社の子会社であるナノオプト・メディアがInterop TokyoをはじめとするCMPテクノロジーの日本におけるイベント事業を引き継ぐことを発表した。ナノオプトロニクス・エナジーとナノオプト・メディアは、双方ともInterop Tokyoには実行委員やBest of Show Award選考委員長として密接に関わってきた藤原洋氏が代表取締役を努める企業。Interop Tokyoは新たなオーナーシップの下で、当初の相互接続性検証イベントとしての役割を再確認する。
藤原氏は、インターネットが全世界で成功した背景に、産学連携があると話した。特に日本のInteropは、ShowNetというネットワークに各社が製品を持ち寄り、産学のエンジニアが一緒になって接続を検証し、ネットワークを使い込むことが特色。これはもともと米国のInteropにおける中心的な活動だったが、いまや日本のInteropのShowNetのほうが優れているとの評価も見られるようになっている。
藤原氏はこの産学連携による成功モデルを、今後のInteropで無線、放送、自動車、環境技術などに広げることも目指したいという。
2010年6月に開催予定の次回Interop Tokyoの実行委員長となるのは、同イベントを日本に持ち込んだ仕掛け人の1人でもある慶應義塾大学の村井純教授。村井氏は、今後のInterop Tokyoで「マーケット標準」の推進にテーマとしていくと話した。
村井教授は、「マーケット標準という言葉を、「使いものになる標準」に近い意味で使っているようだ。「インターネットの歴史にはIETFとInteropの両輪が必要だった」と村井氏は話した。IETFは標準だが、これを本当に使えるのか、利用者が困らないのかを確かめる場としてのInteropが不可欠だったと同氏は説明する。日本の消費者は「使いこなし力」があり、もう一方で高い質を求める人々がいる。IP化が進む今後の世界で、先端マーケットとしての日本が大きな役割を果たせると村井氏は語った。
現在も、特にレイヤ1、2で移動体通信の進化などの大きな動きがある。こうした動きをカバーし、モバイルワイヤレス、放送、自動車など、より幅広い分野でマーケット標準を作り出すべく、「技術に力のある者が集まる場」としての機能を強化していくという。
ただし、これまでのInteropが果たしてきた展示会の機能を縮小するわけではない。CMPテクノロジーでイベントを運営してきたスタッフがほとんど全員ナノオプト・メディアへ移籍。従来の形を継承しながら、さらに相互検証活動を強化する形になるという。
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